早朝、玄関に来ている外の猫ちゃんにご飯をあげようと思って出てみると、餌を置く台の中に顔を突っ込み、ふっさふさで太くて茶色と黒の縞模様の立派なしっぽが揺れているのが見えました。
「狸君?」と思ってよく見ると、巨大なアライグマ君のビックなヒップでした。
私を見るとギョッと飛び上がり、ヒップを揺らしながらそそくさと退散していきました。
アライグマ君!逃げなくても良いよ!と声を掛けてあげました。
この2年間ほど、一週間に一度くらい、猫ちゃんの餌の場所で大きな泥足の爪痕が残っていたのと水飲みのボールの中に泥が沈んでいたのは、この子が犯人と判明しました。
以前より狸君にしては2足歩行のような足跡があると不思議に思っていたものです。
そして水飲みボールの中がいつも泥だらけであったのは、アライグマ君の習性で、水の入った容器を見るとどうしても泥だらけの手を洗いたくなってしまったという本能が働いたのでしょう。
アライグマ君は、近くの農業用の用水路を伝っていつも移動しているようです。
そしてこの近くに住む、狸君も同じ行動をするようです。
彼らも必死で生きています。
本来は野生生物と精霊の惑星であった地球に私達人間が間借りしている立場です。
人間が王様のように威張っていますが、本当は彼らが主役の立場なのです。
もちろん、人間が造り上げた造形物も素晴らしいといつも感心してしまいます。
でも、ふとこの惑星に人間がいなかったら、すべてのバランスが整った最高に美しい星であったのだろうな、と思ってしまいます。
それでアライグマ君にももちろんアライグマ君用にご飯を多めに置いておくことにいたします。