10月はものすごい程の多くのことがありました。
最後の最後の方で、里親さまに出した2匹の仔猫の雄猫がお引越し最中に脱走したというご連絡を頂きました。
その日に、可愛い可愛い仔猫のマルコと母猫マルタが、モンゴル出身の超エリートの方の家族になることが決定し、安堵していたところ、またもやの大打撃でした。
いつも何か終わる瞬間に次のことが来るというパターンを繰り返されております。
かなりパニックに陥りそうになりながらも、その里親さまにプロの捜索サポートをお勧めしました。
こちらからは2時間以上かかる場所に捕獲器をかついでいくこともできないと思ったからです。
しかし、結局のところ、天界は私に行けと言って参りました。
初めての場所で、どこでどうやって逃げたのかもわからず、やみくもに捕獲器を持って住宅街を5時間もうろつくという、雲をも掴むような虚しい捜索に終わってしまいました。
夜はその方とそのご両親さまも見え、逃げた猫の逃げ込んだ特定の場所を知り、そこに重点的に張り込み、捕獲作業を開始することに致しました。
するとそこに黒白の猫ちゃんが現れ、里親さんは思わず、「ハル(猫君のお名前)が帰ってきた!」と感涙していらしゃいました。
しかし、その子はご近所で飼われている猫ちゃんであると分かりました。その子の飼い主様が現れ、脱走した仔猫のことを訊ねると、その猫が見ていないけれども、もし、この辺りに逃げたのなら、必ずこのエリヤにいるであろう、丘もあり、電車の線路もあり、激しい交通量のある道路が走っているから、この地帯からは出られないであろう、という有力な情報をくださいました。
ターゲットを絞り、捜索を開始したのはもうすでに11時を回っており、もう終電はなく、その夜はオールナイトの捜索を覚悟致しました。
その猫が逃げ込んだというお宅に深夜はチャイムを鳴らすのもはばかれ、お庭のすぐ外に捕獲器を置き張り込むことに致しました。
その後はコンビニエンスストアでカイロを買い込み、猫が居そうな他の住宅街の中を半径一キロ圏内を何度も何度も往復し、山のふもとの茂みの中、お墓の中まで捜索しましたが、いっこうに猫の気配がありません。
しかし、この地域は見事なまでに野良猫がいないことが驚きでありました。
その代わりに丸々と太った狸が複数棲みついていることも発見致しました。
野良猫がいない地域というのは、本当に始めてです。
最後は近隣の捜索は諦め、やはり猫が逃げ込んだというお宅に張り込むことにいたしました。
時々そのお宅のお庭の中暗闇で目が光るのを見つけ追いかけてしまいました。
ここでつい庭の中まで追いかけてしまい無意識にでも不法侵入をしてしまいました。お宅の方には大変申し訳なく思っております。深くお詫び申し上げます。
懐中電灯を点けると暗闇でギャーっという叫び声が聞こえ、狸であると分かり無念でした。
狸が何度も捕獲器に入ろうとするのを追い払い、朝まで粘りましたが、結局のところ、
捕獲は空振りでした。
そして夜が明け、里親さまと一緒に、今度はお庭のお宅の方にお願いし、捕獲器を置かせて頂こうということになりました。
チャイムを鳴らしてもどなたもいらっしゃらず、そのお宅の上の方のお宅を訪問してみると、そのお宅のご家族さまはとってもご親切な方で、実は、その仔猫を数日前から下の方で見掛けており、餌まで与えてくださっていらしたのです。
そしてかなりその仔猫のことを心配していらっしゃりずっと観察をしてくださっていらしゃいました。
仔猫の生存を確認できたことで本当に嬉しく奇跡を感じました。やはり世の中には地上の天使のようなお方がいらっしゃいます。
そして必ず温かい手を差し伸べてくださるのです。
そのご夫妻がお宅の下のお庭に捕獲器を置いて良いとおっしゃってくださったので、庭続きの下の方に降りていき、捕獲器を置かせて頂きました。
私は下の方のお庭も、上の方のお庭の続きでお家も別棟であると勘違いをし、提案を有難く思い、下の方のお庭に捕獲器を置かせて頂いてしまったのでした。
その時、その下のお宅の方が戻って来られました。その方のお話で、実はそのお宅はまったくの別のお宅であると分かり、失礼をお詫びいたしました。
しかしご立腹はおさまらず大きなお叱りを頂きました。勝手な勘違いをお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。
しばらくするとその仔猫が小屋の隅から顔を出してうろうろとし始めたのです。
今度は場所を変えて上のお宅のお庭に捕獲器を置かせて頂き、私は一生分くらい天界に願いました。
「大天使ミカエル!ルシフェル!動物とのコミュニケーションを司る大天使ラファエル!聖フランチェスコ!無くしものを見つけてくださる聖アントニウス!そしてこの仔猫の守護天使よ、どうぞ最後のチャンスをください!この仔猫の命を救ってください!」
すると仔猫は捕獲器の中に吸い込まれるように入っていきました。しかし、捕獲器の後ろの扉がなぜか閉まりません。
もう心臓が飛び出すほどの緊張感の中、必死に天界に願いました。この捕獲が失敗したら、もう2度とこの仔猫は捕獲器に入ることがなく一生をこの地域の野良猫として終えてしまうでしょう。
私は再度何度も天界に願いました。「この仔猫の命を助けてください!この子が捕まえられたら私の生命エネルギーも捧げます!」と大げさなくらいに天界に唱えました。
するとカシャっという軽い音と共に、仔猫が捕獲されたことを確認致しました。
もう18時間歩きまわった苦悩の時間もすべて吹っ飛んでしまう程の歓喜でした。
思わず、上の方のお宅に捕獲器ごと持っていき、捕獲の報告を致しました。
するとご夫妻はご自分のお孫さんが救出されたかのようにとっても喜んでくださいました。
「ハル君」(仔猫の名前)は捕獲の際に鼻に少しだけ怪我を負っていましたが、4日間の間で特に怪我もなく大きく痩せてもいなくほっと致しました。
上のお宅のご夫妻の守護のおかげで、この子は無事に生き延びることができたのです。
また他の野良猫がいなかったのも幸いでした。
もしいたとしたら、テリトリーの侵害ということで喧嘩をし掛けられて追い払われてしまっていたことでしょう。
本当に天界は奇跡を起こしてくださったのです。
今回の脱走事件は私にとっても大きな大きな試練と数々の学びをくださいました。
すべては私の責任だと思います。
里親様の方に、もっと厳しく脱走防止をお伝えすべきでした。
そして、きっと私の心の傲慢さや勝手さがこのような事件を引き寄せたのでしょう。
深く反省をし、もう2度とこんな辛く苦しい脱走劇を繰り返えさせないようにしようと強く心に決めております。
天界よ多くの学びと試練を有難う!
今回のことで、自分のやろうとしていた計画も大いに狂ってしまいました。
でもすべてに意味があることです。
ハル君が無事に戻ってきてくださったこと、それはもう
天界の奇跡とした言いようがございません。
天界の最高最善の愛と光と祝福を!
感謝