jupes jupesの日記

Lanai Fukudaのくだらない日々

サン・サンサン、救出劇・・・

 

今日5月16日は、本来なら西宮の瞑想会の日でした。

 

しかし、関東は朝から小雨で関西も雨模様のようで、もし強行軍に外で開催させて頂いたら、ご参加頂いた皆さまに気の毒なことになっていたと思うと、今回の延期は良かったと、安堵しております。

 

またきっと最高最善の日に開催させて頂けると思っております。

 

ご協力を頂いております皆さまに感謝です。

 

そして、昨日15日は、サンダルフォン君の息子君を悲惨な部屋からの救出に成功致しました。

 

この救出劇の経過を書き出すと大変長くなってしまいますので、簡単にかいつまんで書かせて頂きます。

 

2017年の5月頃から私の玄関前に現れたギズモに似た子を一か月掛けて捕獲し、Sさん宅で保護させて頂きました。

 

その1週間後くらいにやはりギズモに似た子を保護し、Sさん宅で保護することになりました。

 

2匹は顔がそっくりであった為に、兄弟だと思っておりました。

 

現在の「空」君です。その時はサンちゃんの弟だと思っておりました。

 

命名アントニウス君。アンちゃんです。

 

そして、2年が過ぎる頃、今年、車ボランティアをしてくださったBさんがふと同じ組織の中で多頭飼育をしている人を思い出し、私をその方に引き合わせてくださいました。

 

ようやく会えたその方は、もともと仙台から来られて、兄妹猫2匹を飼っていたけれども、その2匹から3匹仔猫が産まれ、その一匹は死んでしまい、そのうち、兄妹と仔猫1匹は脱走して、残りが一匹だけ部屋にいる、とおっしゃいました。

 

写真を見せて頂き、それがこちらで保護したサンダルフォン君とアントニウス君と判明致しました。

 

脱走した妹猫ちゃんはまだ行方不明のままです。

 

そして部屋に残っている一匹の雄猫ちゃんのことが心配になり、まずは去勢手術を受けさせて欲しいと言うと、キャリーバックを買うから少し時間が欲しい、それではこの日にして欲しい、という日で手術の日を決めて待っていました。

 

しかし、発達障害アルコール依存症ギャンブル依存症の疑いのあるその方が約束を守るはずもなく完全にすっぽかされてしまいました。

 

なんとも気持ちが落ち着かず、毎日、その方のアパートに様子を見に行ってみてもいつも窓も雨戸もずっとしまったままで、人も猫の気配もありませんでした。

 

Aさんのお世話人さんのお話だと、もう3年も電気もガスも止められたままであるということでした。

 

ある晩、とても胸騒ぎがし、なんとか手掛かりを探そうとアパートの壁をよく見ると、汚れきった壁にうっすらと小さく管理会社の電話番号がシールとして貼ってありました。

 

それを書き写して電話をすると留守番電話になっており、伝言を残すと後に電話があり、ようやく、そこに住んでいる人のことが分かってきたのでした。

 

管理会社の方もその張本人Aさんのことを相当お困りでありました。

 

そのAさんは、皆さんの協力のおかげで生活保護を受けることになったにも関わらず、受給したお金で酒、タバコ、パチンコ&食料に全部使ってしまい、もう1年近く家賃を滞納したままであり、大家さんも退去させたがっていること、そして大家さんは多頭飼育している猫は保健所に引き渡そうとしていた、ということでした。

 

管理会社の方に、実は猫はこちらで2匹は保護している、残りの一匹も引き受けます、と言うとほっとしている様子でした。

 

管理会社の方はとても情の深い方でした。

 

その方を何度もやり取りをし、Aさんとなんとか会える日を作ってくださることになりました。

 

そして、管理人のアルバイトをしている元アパートの住人の方と共に昨日、話合いの場を設けてくださるということとなったのです。

 

元住人の管理人アルバイトの方は一見、スキンヘッドに龍の模様の作業着にボンタン、という強面の方でしたがしゃべってみるとちょっとなまりのある情に厚い感じの方でした。

 

しかし、約束の時間になっても一向にAさんは出て参りません。部屋の中を新聞受けからのぞくと、酒瓶の転がるごみが堆積しているものが見え、外まで猫の糞尿とニコチンが混じった臭いが強烈に漂って参ります。

 

それでも根気強く1時間ほど、ノックし続けるとようやくAさんは出てきて、寝ていたとおっしゃいます。

 

管理人の方は、今すぐ、家賃を少しでも払わないと去勢退去してもらう、と脅すと、Aさんは生活保護費をもらう為に、福祉協会に行ってくる、とさっさと自転車で出て行ってしまいました。

 

そこにAさんをお世話してくれている組織の方々も集ま来て、更にSさんも来てくださり、大人数でアパートの前でひたすらAさんの帰りを待ちました。

 

しかし、待てども暮らせどAさんは戻って参りません。

 

業を煮やし、福祉協会に行ってみるとAさんの自転車だけは残っており、どこかに行ってしまった様子でした。

 

担当の方とお話をしてみるとAさんは来たけれども、担当の方が電話をしている間にどこかに行ってしまった、とおっしゃいます。

 

担当の方は、Aさんのアルバイトの給与明細があれば、生活保護費は出せるのだが、Aさんの会社からのメールに給与明細を添付して送るのに、何度も失敗して送れない、その間にAさんはどこかに行ってしまった様子、とおっしゃいます。

 

そこで私とお世話人さんとAさんの自転車のところで見張りをし、Aさんを待ち伏せしていると、半額の値札のついた菓子パンが大量に入った買い物袋を抱えたAさんが戻って参りました。

 

図書館近くだとフリーWi-Fiが飛んでいるから、そこまで行っていたとおっしゃいます。

 

なんとも目が離せない、信用できないAさんです。

 

その後、私とお世話人さんと福祉の職員の方でコンコンとAさんに反省を促し、その後、なんとか、生きつなげる生活保護費受給の12万円(実はこれは不正受給にあたるかも知れない、と職員さんは自らを戒めながらおっしゃっていました。こういうことは許されるのでしょうか・・・)を入れた封筒をAさんに渡してもらうことに成功しました。

 

その封筒を持ってどこかに行ってしまわないように見張りながら、アパートに戻り、その封筒の中の半額を管理人さんに渡し、強制退去は免れたのでした。

 

そして、猫ちゃんは、手術と入院をさせるから、捕まえて連れてきて欲しいとだましだまし、頼むとAさんはキャリーバックを持って中に入って鍵を掛けてしまいました。

 

また籠城か・・・と一瞬諦めかけましたが、何度も管理人さんに電話を掛けてもらい、連れてこないとやはり退去させる、と脅すとまた30分後くらいにようやく猫を捕まえたと言って出てきました。

 

そして、この猫ちゃんの手術が終わったら返すから、とごまかしようやくSさんに猫ちゃんを引き渡すことに成功したのでした。

 

午後の1時過ぎから、ようやくことが鎮圧したのが、6時半で、その間、カンカン照りの外で強風に襲われながら、水分も摂らずに、大の大人が5人、アパートの前でガヤガヤと大騒ぎをしながらの救出劇でした。

 

ご近所の方々も呆れ果てていたことでしょう。ご迷惑をお掛け致しました・・・

 

しかし、サンちゃんの息子君を救えたことは本当に良かったと思います。

 

サンちゃんが、私とSさんにずっと「アパートに残してきた息子を助けて!」とテレパシーを送ってきていた気が致しました。

 

昨日は、実はSさんがこちらで良い物件があるということで仕事を休んで、ちょうど物件探しに来られていたのでした。

 

とっても素晴らしい物件であったのですが、サンちゃんの息子の救出劇の間に、その物件はなんと入居者が決まってしまった、ということでした。

 

残念。

 

しかし、きっともっと良い物件が出てくるに違いありません。

 

ちょうどAさんに会う日に、Sさんを物件探しに来させたのも、きっとサンちゃんの切ない思いであったに違いありません。

 

たった一匹の猫ちゃんの為の大騒動の数年間でしたが、これも天界の采配であると思います。

 

アルバイトスキンヘッド管理人さんは、最後に情け深い態度を示し

「あんたたち、手術が終わったら、必ず、その猫をAさんに返してあげてよ。約束してくれよ。

 

Aさん、これからはしっかりと生活保護を受けて、猫ちゃんを抱っこしながら、幸せにのんびりと暮らしなさいよ」

 

とまるで、映画の寅さんが弱者に対して、情けを掛けるように芝居がかった口調でおっしゃいました。

 

ご自分の情け深さと自ら作った美しいセリフに酔っていたのでしょう。

 

この大大大馬鹿者!

 

誰があの地獄界にサンちゃんの息子を返すものですか!

 

Aさんは、お世話人さんの女性達の前ではいつもふん、というやたら強気でプライドが高い表情をし、男性の前では急にいじらしく涙を流して見せるというパフォーマンスを繰り返し、私を驚かせました。

 

なんとも生き強いお方です。

 

頑張って一人であのごみの中で生きてください。

 

もう決して決して猫ちゃんを地獄界で飼うなんていう罪を犯さないでください。

 

 

 

 

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永久の別れを察したのか、または同情をひくためか号泣するAさん