この2,3か月ほど、餌やりをしている工場の広場に気になる、四葉のクローバーのような黒い柄をお腹にくっつけている白黒ブチ君がおりました。
その子は、とても穏やかで静かで、そして毛並みも白黒はっきりとしていて汚れがなく、野性味が見られず、きっとこの猫ちゃんは飼い猫であったに違いないと思い、気に掛けて見ておりました。
その黒白ブチ君は日に日に薄汚れてきて、なんだか寂しそうで哀し気で帰りたいといく気持ちが伝わって参りました。
もし飼い猫が脱走していたなら、飼い主さんがさぞかし辛い思いをして捜索しているに違いないと思い、近くに張り紙をしておきました。
すると、少し経ってから逃げているという猫ちゃんの写真と共に、メールが送られて参りました。
張り紙の効果というのは侮れませんね。
その方はツイッターで情報を発信していたということです。でも張り紙のようなアナログな方が、効果は速いですね。
その猫ちゃんの写真を見ると、まさに、あの白黒四葉のクローバー君に違いない、と確信致しました。
餌やりの場所に来てください、とメールをすると次の日に早速、そのお若い元飼い主さんが駆け付けてくださいました。
その方は白黒ブチ君を見ると「あ~!ひじき!ひじきだ!」と叫びました。
その白黒ブチ君は「ひじき」君と命名されていたそうです。
兄と妹の2匹でその方の庭に住みついており、妹ちゃんは家に入ったものの、兄のひじき君は、外から急にやってきた雄猫君と折り合いが悪く、家を飛び出し、どこかに行ってしまっていたということでした。
そのお若い方は、なぜか猫ちゃん達に海藻の名前を付けていました。
亡くなった猫ちゃんが「もずく」君、とろろちゃん、昆布君とか・・
それで、この白黒ブチ君は「ひじき」君と呼んでいたそうです。
ひじき君は元飼い主さんのことを認識しているにも関わらず、いじけた様子で全然近寄って参りません。
また元飼い主さんも、どうやって捕まえたら良いのか、茫然としているご様子です。
私は、このひじき君をもう2カ月もご飯をあげている為に、なんとなく気持ちがわかっておりました。
本当は帰りたくてたまらないけど、飼い主さんの自分に対しての真剣さをうかがっている、という感じでした。
何度か元飼い主さんには通って頂き、ひじき君に話しかけてもらうように致しました。
そして遂に昨日、ようやく空いた捕獲器を持って、ひじき君捕獲作戦を実行致しました。
食いしん坊であるひじき君はきっと簡単に捕まるだろうと思っていたのですが、美味しい餌を嬉しそうに奥まで入って食べるけれども、なかなか踏板を踏んでくれません。
なんだか元飼い主さんをじらして遊んでいるかのようでした。
餌を食べつくしては外に出るといったパフォーマンスを何度も繰り返し、元飼い主さんを焦らせておりました。
これは元飼い主さんにとっての学びと試練だろうな、と思い、「忍耐強く待ってください」と声を掛けて、私は他の餌やり現場に去っていきました。
するとものの3分も経たない内から、その方から電話があり、「ひじきが掛かりました!どうしましょう!」とパニック状態でした。
「カバーを掛けて落ち着かせてください」というとすぐにその方は捕獲器にカバーを掛けて落ち着かせたようでした。
そしてちょっと小雨の降る中、防水シートを掛けられたひじき君はお縄となり、晴れて飼い猫となりました。
3か月近くの外冒険。きっと楽しかったに違いありません。
でもこれから梅雨になり、蚊や害虫の多い真夏がやって参ります。
外が楽しくても、外猫ちゃんは決して楽な生活ではないはずです。
本当に一匹でも多くの外の猫ちゃん達が家猫になりますように。
ところで、私は最近、貧血がひどく、鉄分不足でめまいがひどく、爪も変形してきてしまいました。
猫ちゃん活動の為に、清貧生活を余儀なくさせられている為に、貧しすぎる食生活が祟り、栄養不足になっているようです。
それで近くで「ひじき、ひじき!」と連呼されていたのは、これは「ひじき」が身体に必要なのだな、というサインを心得ました。
また捕獲をお手伝いした、「コーミンブランド」の耕民さんからお礼に鉄のフライパンを頂いてしまいました。
これも天界からのお達しであると心に響きました。
これで鉄分を摂取できます!
有難い!