ようやく霊園近くのT.N.R.が収束したと思っていた矢先に、また例の石屋のじじいが突然電話をしてきて
「おい!仔猫が戻ってきただろ!はやく何とかしろ!こっちは忙しいんだ!お前たちの仕事だろ!」
という命令口調で仔猫の捕獲を命じて参りました。
憤りを感じながらも、「このお方に天界の愛と光を、この人は認知症で脳が病んでいるのです。コントロールができないのです。慈愛と許しを!」と唱えながら、まずは捕獲器を設置するとすぐに母猫らしき猫が捕まってしまいました。
その後、名人Mさんに行って頂きじいさんに見つからないように捕獲器を置いて頂くとあっという間に、3匹の仔猫が捕まりました。
Mさんによると、あともう一匹がうろうろとしているとのことです。
とりあえず、真夜中にSさんと共に引き取りに参りました。
連れて帰ってみると、まだ1か月半くらいの極小サイズの黒と黒白の仔猫達でした。
洗ってみるとひどくノミダニに喰われており、つぶれたノミの中から仔猫達の血が流れだし、相当酷い状態であったと分かりました。
気温が急に暑くなったおかげでノミダニも急激に増えたと見えます。
このまま放置していたら、失血で死んでいたかも知れません。
ただ健康状態は悪くないようで元気に大声で鳴いて走り回っていました。
仔猫は死ぬほどキュートなのですが、やはり産まれ出るのは可哀想でなりません。
母猫も栄養失調になりますし、仔猫もノミダニにやられ、過酷な気候にもさらされ、外で生きていて良いことはないように思えます。
そう思うのは人間の勝手なエゴかも知れません。
しかし、最初はネズミの駆除というエゴから生み出した家猫が外猫になってしまったという産物を、やはり人間が責任を持って対処しなければなりません。
そう思うのはごくごく一部の人間達だけです。
当の増やしている地域の人達はただ無責任に可哀想だからと言って餌を与え続けて、増やし続けていただけです。
そんなことを過去何十年も繰り返し、ただ糞尿被害に憤っていただけで、なんにも対処しようとしていなかったようです。
ここは21世紀だろうか、と思う程時間が止まっているエリヤでした。
以前から母の知り合いの方の親族がこのエリヤに住んでおり、激しい遺産相続争いの裁判をしていると聞いておりました。
何軒か訪ねた石屋さんでは明らかに遺産相続問題で争っているお話を伺いました。
皆さんピリピリと殺気立ったオーラを放っていらっしゃいます。
穢れた場所だからこそ、精霊の宿った猫達が多く住みつき、クリアリングをしてきたのでしょう。