jupes jupesの日記

Lanai Fukudaのくだらない日々

令和タヌキ・・・

 

また、5月6日に起きたお話です。

 

この日は本当に精霊さんに翻弄されているような一日でした。

 

いつも外猫ちゃん達に餌あげに行っている車部品の資材置き場で、数日前から異様な悪臭が漂っていることを気になっておりました。

 

最初は、それに気付かない振りをし、隣の栗林に撒かれている肥料の臭いだと思うようにしておりました。

 

それが徐々に強くなり、一日一日と強烈になり、異変に無視できなくなって参りました。

 

ゴールデンウィーク中は、そこに誰も立ち寄らず、悪臭がしていてもどなたも気が付かずに放置されていたのだと思われます。

 

その臭いには身におぼえがあります。

 

ちょっと甘ったるいような臭いであり、意図せず、何度かこれまで嗅がされたことがあります。

 

それは動物の死骸の臭いです。

 

あの孤独死をした三毛猫多頭飼育じいさん宅の周辺でも数日間、漂っていた強烈な異臭です。その時は人間も動物も同じ臭いであると知りました。

 

もしかしたら、と、その臭いの原因に対しては、思い当たることがあったのです。

 

実は、今年の春くらいから、猫ちゃん達に餌を置いている資材置き場の倉庫内に、タヌキさんが顔を見せるようになっていたのでした。

 

そのタヌキさんは、猫ちゃん達の餌をほとんど横取りをしてしまっていました。

 

しかも、食べ終わった後は、その真横に置き土産である糞がしてあり、自分のものというアピールの臭い付けという感じでありました。

 

更に、段ボールの中に衣類を詰めておいてあった猫ちゃんハウスにまで入っていると見え、そこら中が獣臭と汚れが散乱していました。

 

困ったことにそのおかげで、そこがちょうど、雨風をしのげ、恐ろしい人間達も来ない安全地帯として住んでいたはずの猫ちゃん達が姿を消してしまったのです。

 

しかし、猫ちゃんもタヌキさんも同じ命です。

 

タヌキだからといって差別し除外することもできず、タヌキさん用に、バケツの中に大量のフードを入れて置いておきました。

 

また、タヌキさんから発生する疥癬予防の為に、フロントラインという薬をハウスの中に撒いておいたのでした。

 

しばらく、獣臭を我慢し、フードを増やして通っていたのですが、ある日から置いていたフードがまったく手付かずのように減らなくなってきていたのです。

 

余ったフードは畑にやってくる野鳥にあげておりました。

 

そして、今回、1週間ほど前から異臭が漂うようになり、これはもしや、と思い、この日は、ちょうど人が誰もいなかった為に、意を決して、懐中電灯で周囲を照らし、死骸がないか探索をしてみました。

 

かなり長年の埃が積もっている倉庫内には新古入り混じった、車の部品と人間のごみばかリで何も見あたりません。

 

しかし、ふと倉庫の入り口に視線を移すと・・・

 

車の部品などの資材が積み上げられている横の地面に、白いものが見えました。

 

それは首から下の毛がすべて抜け落ち、白い肌があらわにむき出しになっているタヌキさんの死骸でありました。それがひっそり静かに横たわっていたのです。

 

死骸の周囲にはおびただしいほどの蛆虫や他の虫がたかっておりました。

 

大きさは2キロほどの若い猫ほどの大きさです。

 

胸が締め付けられる程、辛い思いが襲って参りました。少しの間ですが、お世話をしていたタヌキさんには情がわいており、その死はやはり辛いものです。

 

暗くなってから埋めてあげようか、どうしようか、と案じていると、ふとまだ明るい野外の視界の中に、立派なスコップが飛び込んで参りました。

 

まるで私に埋葬して欲しいと訴えてくるように、そこになぜかスコップが立てかけてあったのです。

 

これまで2年間ほど、ここに通っておりましたが、一度もスコップの存在を知ることはありませんでした。

 

これは、もう今決行するしかない、と思い、ちょうど青々と若々しい芽を吹きだした枝を伸ばしている栗の木が、ここに埋めても良いですよ、というかのように私を誘っていました。

 

誘われるごとく、その地面を掘ると、その土はとてもふんわりとして柔らかく、それほど力を加えることなく掘ることができました。

 

ちょうどタヌキさんの身体の大きさほどの深さと長さに掘ると、タヌキさんのまだ若い小さな身体を安置いたしました。

 

掘り起こしたばかりの柔らかい土を遺体にかけ、その墓地の上にちょうど咲き始めていた野草のお花を添えました。

 

そして天を仰ぎ、ホワイト・イーグルにタヌキさんの死を報告し、タヌキさんの守護天使達を呼び、光に包まれたタヌキさんの魂を昇天して頂きました。

 

タヌキさんの遺体が横たわっていた跡には、遺体の形におびただしいほどの虫さん達が突然、食料が消えたことを残念がってざわついていましたので、諦めて頂くために、彼らの上に殺虫剤(動物さんには無害の野菜用殺虫剤)を撒き、彼らの魂も昇天して頂きました。

 

するとあれほど酷かった悪臭は瞬時に消え、その代わりに初夏の爽やかな空気の中に芽吹く木の芽のかぐわしい香りが漂って参りました。

 

この異臭の原因は、タヌキさんの死骸の臭いと分かりました。

 

なぜに突然、タヌキさんが亡くなってしまったのか、その原因は分かりません。

 

もしかしたら外猫ちゃん達の為に、テリトリーを譲ってくださったのかも知れません。

 

タヌキさん、地球上で、一人だけでもあなたの死を嘆き悲しんだ人間がいたことを覚えていてください。私は短い間でしたが、あなたの存在を認めて慈しんでおりました。

 

どうぞ天界の天使となって軽やかに自由に羽ばたいていてください。

 

有難う!

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こんな感じのタヌキさんでした。

 

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亡くなったタヌキさんの代わりに和歌山では生徒さまに保護された仔猫達が元気に過ごしているそうです。

秋には、タヌキさんのおかげで、その栗の実はきっと美味しく実ることでしょう。