昨夜から早朝にかけて、私は大嵐の闇夜の中、生死をさ迷ってしまいました・・・
台風のような大風の中でふさいでいたベランダの雨避けカバーが少しだけずれていたようで、そこからエンちゃんが地上に脱走してしまっていたようなのです。
うかつでした・・・
そしてエンちゃんは自分のテリトリーからは出ないと思い込みをしていたところをルシファーに付かれました・・・
しかしもうエンちゃんにはどれほど気苦労をさせられるか・・・
寿命がどんどん縮んでしまい、もう今死んでしまうくらいです。
昨晩の10時くらいに他の猫ちゃん達のお世話から帰ってきて、エンちゃんの気配が家の中にないことが発覚し、死ぬような思いで、それから小雨の降る中、近所にはばかることなく大声をあげて探しまわること6時間・・・
ジェルちゃんも狂ったように外に向かってエンちゃんに呼び掛け鳴き続け、これもかなりご近所迷惑になったことでしょう。
早朝4時、かすかに明るくなった外に向かって、またジェルちゃんが大声で叫んでいると、南側の空き家になった家の玄関の植木のところで、かすかな子犬のような鳴き声が聞こえて参りました。
まさにエンちゃんの鳴き声です。
傘を差しながらそっと近づいてみると、植木の下に薄明かりのもと、グレーとベージュのかかった珍しいカラーの懐かしいエンちゃんの姿が・・・しかし、数時間の間に、体が小さくなったように見えます。
「エンちゃん!」と呼ぶと、エンちゃんは、逃げた気まずさと外の楽しさを手放すのが惜しくなったのでしょう。
なかなか近づいて参りません。
再度、美味しいフードを持って近づくと、エンちゃんは空腹に耐えかねて近寄って参りました。
昨夜から何も食べずに、近所を跳ね回っていたのでしょう。
しかし、お皿の中のフードよりも、やはり快適な部屋に戻りたかったのでしょうか。私の差し出した腕の中に飛び込んで参りました。
部屋に戻ると、泥だらけの足のエンちゃんはまずトイレに飛び込み、用を足していました。
この子はマナーを守る子なのですね。
やはり外では用を足せなかったのでしょう。
その後もジェルちゃんも私も皆興奮気味で何をどうしたものか、と戸惑い気味になってしまいましたが、まずは泥汚れを落としましょう、と、
そして脱走した罰にエンちゃんを水攻めの刑に処しました。
エンちゃんはくーんくーんと鳴きながらも素直に刑を受け入れておりました。水攻めの刑罰の後は、摩擦の刑罰を処せられ、エンちゃんは苦しみの大声えを張り上げておりました。
乾いたエンちゃんのところに、私はジェルちゃんを抱っこして連れて来ておきました。
エンちゃんは嬉しそうに、いつものようにジェルちゃんにしがみ付きましたが、ジェルちゃんはそれを許しませんでした。
ジェルちゃんはエンちゃんの奔放過ぎた行為を律すべく、ジェルちゃんの猫生ではじめて、
「はあ!シャー!」
とエンちゃんを叱りつけました。
エンちゃんはしょんぼりとし、クローゼットのいつもの定位置で小さく身を縮め、その後、こんこんと死んだように寝入り、何時間も起きて参りませんでした。
ちょっと起きてくるとまたベランダに出たそうな顔をしましたが、ジェルちゃんが来て
「ダメ!出ないの!」と𠮟りつけておりました。
私が昨夜ジェルちゃんに向かって
「なぜジェルちゃんはエンちゃんを止めなかったの?」と何度も責めたために、責任を感じていたのでしょう。
ジェルちゃんも一晩中叫んでいたために疲れ果てたようで、今日はずっと寝込んでおります。
本当に猫の脱走というのは、心身魂共に疲れ果てます。
私は天界の大天使ラファエルと聖フランチェスコの助けを借りて、すぐにエンちゃんを呼び寄せられて良かったものの、他の脱走された方々のお気持ちが死ぬほどよく分かります。
心臓が停止するかと思うほどの恐怖感、そして緊張、喪失感、絶望感がすべて押し寄せて参ります。
人間がこれほどの思いをさせられることはめったにございません。
私もきっと他の脱走させられた方々の思いを知る為に、エンちゃんが脱走してくれたのだと思います。
本当に小さな小さな気の許しの結果、ほころびからも、猫はすり抜けて脱走してしまうのです。
私もこれでどうだ!蟻一匹すらと逃げられないぞ!と自信を思って設置したころを、あざ笑うかのようにエンちゃんはすり抜けました。
私の慢心をついたルシファーの仕業でしょう。
しかし、本当に猫が脱走された時は、とにかく「あきらめないで!近くを徹底的に探してください!」とお伝えしたいものです。
猫が逃げた時に、諦めてしまう方も多くいるようなのです。
絶対に近くにいて、家族が来るのを待っています。
声を出して探してください!
捕まるまで捕獲器を掛けて、ポスターチラシを張りまくり、できる限りの手を尽くしてください。
諦めたら一生後悔します。
猫ちゃんを救えるのは家族だけです。
どうぞお願いします。
