10月に入ったばかりの昨日、
お隣の市での半年にも及ぶ、TNRで最後に捕獲された子ネコ2匹のうちの一匹、
「フィフィちゃん」
(いろんな呼び名がありましたが、フィフィーといつも鳴いていた為に私はフィフィちゃんと呼んでおりました)
に遂におうちが見つかりました!
「フィフィちゃん最高最善のおうちを!」
とずっと唱えていたところ、ふっと浮かんでくるようにペットサイトからお申し込みがあったのでした。
フィフィちゃんは外にいたことが信じられないくらいに、人に慣れていて、初めての人に対しても、「シャー、パーン」という野性的な抵抗がなく、いつも優しく優しく手で人に触れてきたり、まとわりついて遊ぼうと言ってきたり、よじ登ってくるような不思議な子でした。
小さい体ながら、賢く深淵な2つの瞳で人の顔をじっと見つめて見上げ、すべてを察していますよ、という言いたげな賢者の風貌でした。
もう一匹の茶白兄弟と一緒にいたのですが、この子だけ、前足に真菌による円形はげが見つかったために、真菌仲間の多い、こちらのシェルターにやってきたのでした。
フィフィちゃんは勝手に卓球のボールを追いかけて喜ぶようなひとり遊びもできて、本当に手のかからない子でした。
しかし、完璧な優等生で可愛い容貌のためか、ボスのスコッティに嫉妬されて、ネズミのおもちゃのようにターゲットになってしまい、追い回され、いたぶられ続けているのが不憫でなんとか早くおうちを、と願っていたのでした。
オファーがあった方の紹介文には、会社役員、50歳前の独身で年老いた両親と住んでいる、という文章に、なんとなく、奥様とお子様方が出て行かれたのかな、と思わせる哀愁漂うものがありました。
徒歩10分のところにお住まいのその方が、お越しになると、その方はとてもお優しいオーラが出ていましたが、やはり全身から孤独な寂しさがにじみ出ていました。
この方にはネコが絶対に必要、と思わされました。
その方は、これまで飼っていらして亡くなったネコちゃん3匹のための専用ハウスのようなお宅の造りで、もうすぐにでもお迎えができる、とおっしゃったために、早速、面談の後でMさんと共にお届けをさせていただくことになりました。
思った通りの素晴らしいご立派なお家で、内装にはネコ愛があふれたものばかりがありました。
さすが建設会社さまという感じで、すべて作り付けのキャットタワー、キャットウォークやネコ専用階段が作られており、ネコのお城の中に従者である人間が住んでいる、という感じのお宅でした。
しかし、飾り棚には亡くなったネコちゃん達の位牌に写真、壁には未練たっぷりの、去っていかれた奥様やお嬢様方の絵や賞状が飾られ、寂寥感漂うお宅でした。
「これからは、この子を一生のパートナーとして大事にします」
とその社長様は誓ってくださったので、すべてお任せすることとなりました。
天界から降臨して来られた賢者のフィフィちゃん。
この孤独な社長様を一生お守りして助けて差し上げる為に降りてきたのかも知れません。
フィフィちゃんあとは宜しくお願いします。