暑中お見舞い申し上げます。
最近は、季節も前倒しになる傾向があるようです。
7月には青とんぼが、8月に入ると赤とんぼが舞い、どことなしか秋のすっきりとした乾いた風を感じる今日この頃です。
関東も台風の影響を受けているのか、時折発作のように降る雨を避けたり受けたりしながら、薄っすらと差す、太陽の日差しに感謝し、日々なんとかやり過ごしております。
昨晩で、一応、
「ゴミの城、置き去りネコさん救出作戦」
は終焉に向かいました。
真隣の方のご主人の妹さまが、ごみのお城の方と同じ動物病院に通っていた、ということで、その妹さまからの有力な情報で、
「飼いネコは一匹のみ」
名前は 「猫みん」
「女の子、未手術のロシアンブルー」
ということだけは分かりました。
私は警官と共にネコさん救出の際、部屋に三毛猫の写真が飾ってあったために、思わず、
「ネコちゃん、みーちゃん」と呼びかけて、若い警官もつられて慣れなくつたない声で「ネコちゃん、みーちゃん」と呼びかけていたおかげで、その「猫みん」ちゃんは自分のことだと思って出てきてくれたのだと思います。
これで、他のネコを救出する必要がなくなりほっと安堵です。
早く教えてくれたら!警察官立ち合いの元、救助にあたった2回以上に、体にまとわりつき、しばらく落ちない、甘酸っぱい独特な死臭漂う中で、こっそりと隠れて2回捕獲にあたり、その間、得体の知れない害虫に数か所刺され、掻きむしりたくなるような痒みに堪えかね、現在もハッカ油を塗りたくって治療しなくても良かったのに!と憤慨。
でも、きっとこれはお城の主が私を呼んでいたことと思い、受け入れることに致しました。
最初に大嵐の夜、開かずの扉の縦に並んだ4つの鍵を大人の警官4人と私で力づくでこじ開け、開けた瞬間に目の前に立ちはだかる要塞のような段ボールの山を乗り越えて、巨大ハエが飛び交う、死骸から染み出た黒い抽出液の染みが残る座布団のある部屋に入り、とっさに亡くなった方に天界の光をお送りしておりました。
その後、本来は依頼者がいないとできない、メディアムシップ(死者の魂との交信)を帰宅後、静かにさせて頂きました。
なぜそれをしなければならなかったか、というと、通報してきた近所の方数人が、ロッシーちゃん救出後も、
「窓のカーテンが何度も揺れているのを目撃した」「大きなハチワレか黒猫が見えた」
と訴えてきて、こちらの救出をうるさく促してきていたからです。
私は、救出に入った時から、生存しているネコさんはもういない、と聞こえてきたため、
「これで終了して良いですか?」
と他のボランティアさんにもお伝えし、ご近所の方々にも終了をお願いしていたのですが、
「いえ、閉じ込められていたら可哀そうだから止めないで、救助に入って欲しい」
と訴えて参ります。
それでは「ご近所様が、そっと入ってもらえますか?」とお願いすると
「怖いから嫌です」
とはっきりと断って参ります。
「そちらは専門家でしょう?こっちができないからお願いしているんです」
とかなり身勝手なことをおっしゃいます。
こちらはただネコさんが気の毒と思うからやっているボランティアであって、特別訓練を受けた専門家ではありません。
しかし、警察官の方々からも
「あなたはすごいですね。なんでそんなことができるんですか?」
と不思議がられておりましたが、
「ネコのことをやっていたら自然にできるようになります。こんなお宅はいくらでもあります」
と答えるのみでした。
しかし、この作業を何日も延々と続けていることは時間も体力も取られてしまう為、先日、意を決して天界とつながり、心と魂を浄めて、一人、死者の魂と対話をすることに致しました。
まずは、亡くなった方に
「この度は大変なことになりましたね。お辛かったですね」
とねぎらいながら、
「飼っていたネコさんは他にいますか?」と訊ねると
「今はいない、以前は三毛猫とハチワレ白黒雄を飼っていました」
と聞こえて参りました。
「ではあのロシアンブルーのネコさん以外はいませんね?」
と伺うと
「もういません」
と聞こえて参りました。
それで
「ではさようなら」
と終わりにしたかったのですが、様々な思いが、怒涛のようにあふれ出して私を引き留めて参りました。
以下、亡くなった方から溢れ出てきたメッセージです。
「近所の人達は、私と父親の関係を誤解しています。近親相姦であったなんて、あり得ません。私はずっと気難しく厳しい父親にずっと支配されてきたのです。幼少の頃からずっと父親の言いなりになり、すべてを縛られてきました。母親と姉は父親の家庭内暴力に耐えられなくなり、弁護士を通して離婚し、逃げ出してしまいました。自分だけは、なんだか気の毒に思った父親を見捨てることができずに残ったのです。それからは、それはそれは地獄のような日々でした。身勝手でわがままな性格で高級なものしか食べない美食のせいで糖尿病を患い、結果、盲人になった父親はますますわがままになり、私を支配しして、一時も放さず、奴隷のように使いました。家の中も荒れ放題になってしまいましたが、清潔好きであった母親もいなく、目の見えない父親にも気づかれず、そのままとなってしまいました。感情を抑えられない父親の怒号を受けながら長きに渡る闘病生活の末、ようやく父親が亡くなり、ようやく解放され、家を片づけようと思ったけれども、心がもはや燃え尽きてしまって気力がなくなり、分かってはいたけれども、ゴミの山を自分の力ではどうすることもできずに放置してしまったのです。近所の目も厳しく、羞恥心もあり、全部の窓を閉め切って見えないようにしてしまったのです。その時に気分を変えようと、つい立ち寄ったペットショップで運命のネコちゃんに出遭ってしまったのです。売れ残っていたロシアンブルーの子がじっとこちらを見つめていて、自分の年齢だと駄目だと分かっていたけれども、つい連れて帰ってしまったのです。その子は、こんなひどい環境の中でも、私に懐いてくれてずっと一緒に添い寝をしてくれました。昔、ネコちゃんを家族で飼っていたことがあるけれども、飼い方を忘れてしまい、とりあえず、おやつだけは寝ながら与えていました。そのうちに父親と体質が似た私もきっと糖尿病になっていたと思いますが、病院に行く気力もなく、もう体が思うように動かなくなってほとんど寝たきりになっていたのです。暑いと感じていたので冷房を入れたかったけれども物に埋もれてリモコンが見当たらず、部屋は蒸し風呂のように暑かったのは覚えています。生命線であった生協から、スポットクーラーを何個も購入したのですが、設置する力もなくなっていました。(そういえば、開いていないスポットクーラーの箱が2つありました)ネコちゃんのお世話をしなければ、と分かってはいたけれども、意識が薄れてしまって立ち上がれなくなってしまったのです。ネコちゃんには、ずっと必死で声を掛けていました。その時、暗い世界が目の前に開き、無数の顔の見えない人達が迫ってきて、こちらにおいでと手を差し伸べてきました。その中にあの憎き、父親もいたのです。私は父親の手を思わず拒絶しました。後ろでネコちゃんの鳴き声がして、行かないでと叫んでいるのが分かりました。その真っ暗な渦巻く穴の中にしばらくいたような気がします。それから、過去の記憶の中で幸せであった時代にずっと戻っていたと思います。子どもの頃の明るい光の世界に戻ったり、外国に行ったり、学生に戻ったり、これまでの煩わしいものがなにもない、何も考えなくて良かった幸せな瞬間を懐かしく味わっていました。。時折、この部屋の地獄のような様子が見え、また鬼のように激しく𠮟りつけてくる父親が見えて逃げたくなったのです。そんなことをぼんやりと繰り返している時、誰かが「あの人に頼むと良い」と指差してくれた先を見ると、一筋の光が見えたのです。なんとなくこの親しみを覚える人に助けてもらえる気がして、必死にその人(たぶん私のこと)に呼び掛け、「ネコちゃんを助けてあげて!」と叫んでいた。すると真っ暗な中にまぶしい光が現れ、「この子だけで良いから助けて!」とネコちゃんに行くように促し、ネコちゃんは素直にあなたのところに行って助けてもらったのです。これで私は何も思い残すことはありません。私のこの人生は、父親による支配と共に、名誉欲、学歴、物欲、良い子を演じること、にずっと支配され何がしたいのか何が本当なのか分からなくなっておりました。ただ楽しかったこともありました。英語を通して世界とつながったこと、一瞬でも幼い時には両親に愛されていたこと、ネコちゃんの柔らかいぬくもり。あとはもう何もありません。これであなたが示してくださった光の方向にいくことができます。もうすっかり軽くなれました。まったくなにもない状態が、こんなに軽やかで自由であるなんて。体中を縛られていた重りと南京錠付きの金属の鎖から解き放たれたのです。本当にごめんなさい。プライドと羞恥心から、世間に出られなくなってしまった私がしてしまったこと、心から謝ります。謝っても許してもらえないと思います。でも人生の最後に心から愛していたネコちゃんをお願いします・・・本当は一人愛していた教え子の男性がいたのですが。。。その方に私が死んだことをお伝えいただけますか?ありがとうございます・・・」
とのことでした。
私もなんとなくその亡くなった方には元英語を教えていた縁で親しみを覚えるような、おびただしい害虫とネズミの糞にまみれたごみの山の中に、英語の原書本や英字辞典のハードカバーの表紙がかつての栄光の日々を物語って物静かに光を放っていたのを記憶しております。
猫みんちゃんのことはおまかせください。
猫みんちゃんは、うちのロシアンブルーとアビシニアンミックスのエンちゃんによく似て愛くるしい容姿と性格をしています。
本当は身内の方に責任を取って頂きたいところですが、言っても仕方がありませんから、このまま受け入れます。

