昨日、たまりにたまった新聞をなんとか少しでも読んであげないと、毎日毎日冷たい雨の中でも強い風の日でも一生懸命配達してくださっている新聞配達の方にも申し訳ないと思い、ようやく10日分ほどたまった重い新聞の束を広げて、日付順に読み初めました。
適当にさらっと表面のタイトルだけを流し読みしていき、さて広告はと思い広告を改めて拝見してみると、この紙面の豪華さ華やかさ、そして読者を惹きつけようとするあらゆる工夫のされ方に関心しておりました。
新聞広告を一枚一枚めくっていると人間の人生がすべてそこに凝縮されている気がして参ります。
赤ちゃんのグッズ、ペット販売、ペットグッズ、学習塾、習い事、ジム、家電製品、住宅販売、マンション…
この辺までくると、とても煽られているように思えてきて苦しくなって参ります。
「月々たった9万円台の支払いで豪華な新居に住めます!」とありますが小さい字で*35年間ローン と記述してあります。
だれがあと35年も生きるか!と突っ込みを入れながらも、その住居の素晴らしさに思わず魅入られながらも、「人間て生きるの本当に大変だなー」とため息を思わずついてしまいます。
35年のローンを抱えながら、子供達の教育費や学習塾に習い事に月々の支払を迫られるのです。新聞記事の中に子供さんの一人の教育費は全部公立で高校まで行ってもだいたい600万円くらい掛かるとか…ため息…
そして、その広告の合間に薬局の広告が挟まり、まるで「心身を病んでいる人は、この薬でどうぞとりあえず対処して生きながらえてください」と言われているようです。ジムの広告も「日々のイライラは当方で解消を」とご親切にも言ってくれているようです。
そしてめくっていく最後の方で思わず「ふ!」と苦笑してしまったのが、「お葬式、霊園サービス」のご案内でした。
その内容はまるで「この世知辛い競争競争の人間界で良く頑張って来られました。生きるのに疲れ果てたあなた様、大変お疲れ様でした、最後は当方にあなた様の残ったお金をお支払いいただけば、冷たいご子息様達に頼らなくても、当方があなた様のお骨を未来永劫管理して差し上げますよ…」
とご親切にも申し出てくださっているようでした。
なんという皮肉に満ちた、いえ、ウイットに満ちたお厚い親切心にあふれた広告の数々でしょう。
私など、人間競争社会から最初の方で早々に転落をしてしまっているため、それらすべての広告とは無縁の日々を送らせて頂いております。
もし、その人間界の競争のレールに乗っていたらどんなに日々戦々恐々としていたことか、と身震いするほど恐ろしくなります。
しかし、私の周囲の人々は、当たり前のように、普通にそのレールに乗っていかれました。
そして、日々、周囲の人々からの刺激を受け、周囲と自分を見比べながら、更に新しく現れる人間界の便利なものに飛び付かざるを得ず、古いものと新しいものを入れ替えながら生きていく・・・ということを繰り返していらっしゃいます。
この自分には到底真似できないことです。
脱落組で良かった、と思います。
その競争に参戦していたら、24時間煽られて心身ともにヘロヘロボロボロ状態になっていたでしょう。
その広告の合間に、たくさん病院、クリニックの案内もあります。
「ヘロヘロボロボロになったら、当方で完全治療を!」とご親切にも広告はにこやかにさわやかに招いてくださいます。
有難いことです!
でもすみませんが、すべて資源ごみに出させて頂きます!ありがとう新聞さん達、広告さん達!