jupes jupesの日記

Lanai Fukudaのくだらない日々

国際ブックフェア


昨日は雨の中、国際展示場で行われている国際ブックフェアに行って参りました。


また明日も行く予定です。

本離れの危機が叫ばれている中でも、この本の展示会は大盛況でありました。

朝から、林真理子さんの講演会があり参加させて頂きました。

林さんが本屋さんの娘であった経歴などがうかがえて、とても興味深く思えました。女学校出のインテリなお母様が、まったく同じ誕生日である、後に放浪癖があり遊び好きであったと判明した、元銀行員のお父様と結婚されてから、苦労が始まり、本屋さんを始めて、行商人のように東京から本を担いで運んで何十年も甲府の駅前で本を売りながら、お子様達を大学まで出されたという苦労話のエピソードを拝聴し、やはり、そのような本屋のお母様を見て育った為に、人一倍、本を書くことで成功しようという野心を培われたのだと思いました。

現在も日本で本を売る為の様々なプロジェクトをなさっていらして、本当に情熱的で活動的な方と思えました。作家さんというよりトレンドプロデューサーの大物の方という印象でした。

最初に林真理子さんの小説を拝読したのは、新聞の連載小説でした。主人公のおしゃれで有能な女性が、会社で野心に燃えてどんどん出世していき、トレンディな恋人をも踏み越えていくという物語でしたが、終わった後の作者評で、「この女性は私そのもの」と書いていらしたことが印象的でした。ご自分のことをこれほどまでに書けるなんて、と野心のかけらもなく後ろ向きであった私に刺激を与えてくださいました。

今回も世の中に野心をすすめていらっしゃる方が、どんなエネルギーを放っていらっしゃるのか知りたく、講演会に行かせて頂きました。しかし思ったほどギラギラしたものは発していらっしゃらずに、現在は使命に燃えたエネルギッシュな分かり易く親しみの持てるお方と思えました。

林さんは、世界での本離れの危機を切々と語り、とっても憂いていらっしゃいました。

本が売れなくなったのは、ブックカフェや図書館のやり方のせいでもある!と力強く訴えていらっしゃいました。

その裏話は、とても興味のあることでした。

確かに作家さん達が血のにじむような思いで魂を込めて書き上げた本がまったく売れなかったり、売れてもカフェでタダ読みされて、その本は返品になるとか、図書館で何とか売れているような新作を置くと、周囲の本屋で100冊はその本が売れなくなる、だとか、知らなかったことが分かり、なるほどと納得致しました。

私はブックカフェにも行ったこともなく、最近は図書館にも行かなくなってしまいました。

読書ができるカフェは、売り物の新しい本を客さんがコーヒーやケーキを食べながら読みまわし、そして誰も買わないから出版社に染みつきの本でも返品する、というシステムは確かに非情で非常識なやり方だと思います。

図書館は以前はよく行ったもので、勉強は図書館でするものと学生の頃は思っておりましたが、最近は、周囲の人が気になって集中できず、また本も多くの人々が読みまわした形跡のある本に触れたくもなくなってしまったのです。触れるといろんな人々の様々な複雑な過去や思い、そしてエネルギーが指から身体に入り込んできてしまうのです。それを面白がられる人は全然問題がありませんし、古本を買っても良いと思います。

作家さん達は、確かに収入も少なく、大変だと思います。書いても書いても、売れるものでもなく、すぐに本は中古になって古本屋で売られてしまいます。

もし、万が一、自分が物書きになったとしたら、本当に切実なことだと思います。しかし、私には到底筆一本で生きていく覚悟もございませんし、そもそも売れる本を書くような才能がございません。林真理子さんのような世の中のトレンドをいち早く察知でき、それをささっと取り入れて書き上げてしまうという才能はすごいと感心してしまいます。

今、一番林さんが望むことは、皆が地元の街の本屋さんで新しい本を買って読んで欲しい!ということのようです。

それは私も大賛成です。今後は地元の駅前の本屋さんで本を買おうかな、と思いました。

でもアマゾンも捨てがたい・・・