jupes jupesの日記

Lanai Fukudaのくだらない日々

つばめのひなさま



昨日の出来事です。

自転車でちょっと遠出をしなければならず、ある街の商店街を自転車を押して歩いておりました。

いつもの通りぼーっと歩いていると、目の前に小さなものがパタパタと音を立てて落下してきたのです。

すると目の前のスマートフォンを眺めながら歩いている若いやせ型の青年のゆるゆるのズボンの太腿の辺りに、落ちて来た物体がしがみついているのを発見致しました。
 
それは「ミーミー」と激しく鳴いておりました。

青年は相変わらずスマートフォンに集中していて、なにかが自分にしがみついて鳴いていることに気が付きません。

私はなんだろうと青年のズボンを凝視してしまいました。すると、それは小さな小鳥のひなが必死にズボンの布にしがみついている姿と分かったのです。

私は彼に「すみません、小鳥がくっついていますよ」と声を掛けると彼は「え?」と言ったまま立ち止まって固まってしまいました。

私は自転車を停め、両手でそっとそのひなを包み、その布から離してあげようとしました。

ひなはちょっと抵抗しておりましたが、断念して私の手の平の中に収まったのでした。しかし、どうしよう、と案じていると、商店街のお店の前に置いてあった観葉植物の中にふわふわとした葉っぱがたくさん生えていたので、そこにとりあえず置くことにいたしました。

ひなは黄色いくちばしを開けて、必死に左右に頭を動かしながら「ミーミー」と鳴いて親鳥を探しているようでした。

このまま放っておいたら、車の激しい往来に出てしまいそうで、困っていると、あちらこちらの商店のご婦人方が出て参りました。皆「この子どこかから落ちたようなのよね。かわいそうに・・・」と皆先程からこのひなさんを見ていたようで、心配そうに集まってきてしまいました。

「水を飲ませてあげようか」と一人のそのお店のご婦人がひなさんを包もうとすると勢いよくバサバサっと飛び立って、そのお店の看板のところまで飛んでいき、再び、左右を向きながら、「ミーミー」と親鳥を呼んでおります。

まだ卵から孵ったばかりといった感じで頭の上にはまだ産毛がくっついております。

そして2頭身の丸い団子がふたつくっついた所に小さなグレーの羽が生えているような愛らしさです。いつまで見ていても見飽きない程可愛らしい姿です。

皆さんは、「この鳥はなんだろうね」と仰るので、私は「つばめの子ですね」と皆さんに教えてあげました。以前、実家の玄関の照明の上でつばめが巣作りをしてしまった時、ひなの姿を見ておりますので、つばめと気が付いたのです。

皆さんはきょろきょろと周りを見渡し、「どこにつばめの巣があるんだろうね?」と探し始めました。

しかし、きっとビルのどこか見えないところに親鳥の作った巣があるらしくその巣は見つかりませんでした。

皆、ぼんやりとそのひなさんが必死に鳴いているのを見つめるだけでした。しかし、そうしていても仕方がないので、皆、それぞれ散っていきました。

皆さん、情のある親切そうな方々ばかりでした。

私ももし、親鳥が見つからないのなら連れて帰りたいと思ったのですが、それは人間の傲慢であります。

ひなさんとしては、汚い人間の手になど捕まるものか、と言った感じで必死に生きようとしておりました。

そっと両手に包んだ時、心臓が力強く打っている生命力の強さを感じました。

あのひなさんに足にしがみつかれても気が付かなかった、スマートフォンの青年よりもずっと生きている、というエネルギーを発しておりました。

私はひたすら、「力強く生きるように!きっと天使達が守ってくれるでしょう」と光をお送りして去ったのでした。

写真は撮れませんでしたが、こんな感じのひなさんでした。まだ元気でいらっしゃることを祈ります。つばめのひなさんに天界の最高最善の愛と光を!

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