私のアパート前で3か月、餌付けをしていたサンダルフォン君。
夜8時くらいに、駐車している大きなバンの下に潜み、まん丸の目を見開き、私が美味しいものを出してくれるのを待ち続けていた方です。
真っ暗闇の中ではよく見えず、ギズモのようにも見え、または山猫ちゃんのようにも見えました。
とっても賢く、こちらの様子を下から、まん丸な目を最大限に開き、観察し、いつもと違う様子や捕獲器を見ると絶対に近寄って来ず、3か月間、捕獲のトライにも掛からなかった子でした。
最後の挑戦の日に、ようやく捕まえられた時は、心底安堵致しました。
しかし病院に連れて行くと、この子は去勢済みの男の子で、少々落胆致しました。
ただ、一度捕まえた子を放すことはできず、保護させて頂きました。
保護してみると、その夜にサンダルフォン君に、何かが入りこんだようでSさんに相当懐き始めてしまったのでした。
天界によると、Sさんの亡くなった愛犬の魂がウォーク・インをしたとのことでした。
Sさんによると、その夜からサンちゃんは寝ているSさんの顔をなめとおしてきたそうです。
そしてその日からSさんにべったりと寄り添い離れないそうです。しぐさも亡き愛犬さんにそっくりで、どう見ても猫ちゃんとは思えないとのことです。
この方は、たぶん、ブリーダーが山猫と他の猫を掛け合わせて作った猫ちゃんで、掛け合わせに失敗したのか、去勢をして畑に捨てたと思われます。
悲しい過去にも関わらず、とても陽気でハイテンションで、なによりSさんの亡き愛犬さんの生まれ変わりとなってSさんに仕える為に、私のところに来て下さったのでしょう。
そして同じ日にSさんのところではメタトロン君が保護されました。
メタトロン君は、虎柄のビロードの毛皮を持つ高級そうな洋猫です。
穏やかで静かなこの子もブリーダーさんに捨てられた方に違いありません。