現在、ごみ屋敷(失礼ですが)独居老人孤独死で置き去りにされていたネコさんの救助にあたっております。
今年で置き去りネコさん案件は3件目です。
ごみ屋敷に関しましては、私はこのネコ活動を始めた当初から、
ネコ問題のあるお宅=ごみ屋敷
という図式が叩きこまれている為に、どんなお宅でもまったく動じなくなっております。
もし何も仕事がなくなったら事故物件の清掃の仕事でもしようかな?なんて半分本気で考えたりしております。
本来の私は、電車のつり革が持てない、自分の部屋に髪の毛一本でも落ちているのを発見すると、いてもたってもいられない、くらいの潔癖症候群であります。
そんな自分でも、自分の所有物ではないところであったら、とかまたは動物さんの汚したものであったら、何も感じず平気で清掃ができてしまう変なところがあります。
今回、他のネコボランティアさまから夕方、突然、一緒に来て欲しいと依頼があり、赴いて参りました。
もともと餌やりの服装がヘッドランプにビニール手袋に長靴着用という重装備でおりますので、警察官を呼んでから、重装備を始める警察官よりも素早く動いておりました。
天井まで段ボールごみが、まるでお城の要塞のように堆積する玄関を力づくで突破して中に入り、警官をヘッドランプを煌々と照らし、リードする形で置き去りネコさんを捜索致しておりました。
まだ研修が終わったばかりのような若い警官は、いちいち口うるさく、私に対し
「ここは人の家なんですから、あまり乱暴に歩かないように、物を動かさないように!」
と鬼教官のように指示してこられました。
きっとこの人は四六時中、教官から口うるさく指導されてこういう口癖になってしまっているのだな、と思え小言を言われる度に苦笑しておりました。
ご立派な鉄筋3階建ての複雑な設計の内部には、物が沼のようにあふれた迷路のようで、進もうとしても段ボール箱に足元を取られ、なかなか前に進めません。
時折、ゴキブリが現れ、ヒヤッとさせられます。そして腐敗したネズミの死骸に、おびただしいネズミの糞、スズメバチのように巨大化したハエの大群・・
そして孤独死があった2階の一室は、きっと生前ずっとそこに寝ていらしてそのまま亡くなったのだろうと思える亡骸からの抽出液で真っ黒に染みついた座布団がそのまま残されておりました。
その部屋では、今まで何度も嗅いだ経験のある酸味を帯びた甘ったるい人間の死骸の腐敗臭が鼻をついて参ります。
そしてライトを目掛けて襲い掛かってくる巨大なハエがおり、その大群を持っていた捕獲用の網で顔を覆って保護しながら、ネコさんを探し続けました。
その部屋のカーテンが外から揺れて見え、ハチワレのネコの顔とシルエットが見えた、と真隣にお住まいのネコ愛の強い方が、今回証言されておりましたので、臭いに耐えながら念入りにその部屋を探索致しました。
同行して、共に探していた若い警官の方もそろそろ息切れし、苦しそうな声をあげ始めておりました。
しかし、昨年の夏も同じような立派なごみ屋敷に置き去りにされた三毛猫さんを捜索して、捕獲保護した時は、昼間の室内が50度を超える中での作業でしたので、まだ今回は夜の、しかも外は大雨と大嵐の中、ひんやりとした外気が感じられる家中での作業でしたから、まだマシであると思っておりました。
孤独死の場合は、強烈な臭いとの戦いでもあります。つくづく毒ガス用のマスクが必要だと思います。
警官の方も三重のマスクをしても辛そうでした。
しかし、警官の方は多少、ごみ屋敷は経験済みのようで、なんとか心を落ち着かせようとしており、また玄関の外では先輩刑事が
「がんばれ!お前ならできる!大丈夫だ!いけー!」
とこちらの萎えそうな心を奮い立たせるような応援合戦をしてくれておりました。
徐々に息が苦しくなり、過呼吸気味になってきた時、部屋に掛かっているお父様らしきお写真を拝見し、そのお写真の方に心から願いました。
「もしネコちゃんが生きているのでしたら、目の前に現わしてください。そしてその子を助けてください!」
と訴えると、二階の階段の踊り場で、さっと目の前をグレーの影が一瞬、走り抜けていった気がしました。
思わず、「迎えにきましたよ!ネコちゃん!おいで!」
と叫ぶと、か細い声でにゃーと鳴きながら、ミイラのようになったグレーの毛色のロシアンブルーのネコさんが目の前に現れました。
思わず、捕獲器を置いて中に入って、と誘導しましたが、それよりも前に、私の手が、ネコさんの首をつかんで抱きかかえておりました。
若い警官は、襲われる!と思ったのか、「わー!ネコを捕獲器に入れてください!」と大げさに叫びながら、私に命じて参りました。
その力なく弱ったネコさんは、片手で何なく捕まりようやく保護が成功しました。
これまでずっと小言をぶつぶつとつぶやいていた若い警官も私の行動を見て、
「なんだかすごいですね」
とお褒めくださり、他の刑事さん達も
「本当に捕まえたんですね!」
と感慨深げで、これまでの面倒くさそうな態度が変わり、
「まだ中にネコがいるようだったらお知らせください」
と丁重な挨拶をしてお帰りになりました。
その痩せ細ったロシアンブルーちゃんはシェルターに泊まってもらい、翌日おおにし動物病院で検査をすると1,8キロしかない推定三歳くらいの成猫、脱水状態は激しかったものの、血液検査に何も問題なく、そしてマイクロチップ入りのペットショップで購入した純粋なロシアンブルーで未手術、ということが分かりました。
その後、元飼い主さんのお名前をインターネットで検索すると、大学の英語の先生であったということが分かり、そして評判の良い面白い先生であったといくつかの評価で分かりました。
ネコさんのこともきっと溺愛していたのではないか、と思える程、ロシアンブルーの子は甘えん坊ちゃんで人が大好きな子でした。
しかし、学歴もあり、社会的な地位もあり、常識人のように表向きは見える立派な人出も、何かが狂い始めると、あのような状態に陥ってしまうのでしょう。
部屋の中は、その人の潜在的な精神状態を表す、という俗説はその通りであると今回も納得致しました。
しかし、私はその亡くなった方に対し、一種の親しみを覚えておりました。
生前はどこか憎めない、ユーモラスで温かいお優しい、物が可哀そうで手放せない天使系の方であったのではないかと思えて参ります。
ふと、「自分の本業で死者と対話をするメディアムシップができるではないか!と思い出したのですが、それはどなたか近親者か、知人友人の方がセッション料を支払って依頼してこないと作動しない条件になっており、勝手にはできない、と残念に思えました。
しかし、その亡くなった方が私に何らかの代償を支払い、依頼して来られたら、その死者の方と通じることができるはずで、それを現在待っております。
今朝は六時半に現地で警官達と待ち合わせをして、設置した3台の捕獲器を確認に参りましたが残念ながら入ってはおりませんでした。
引き続き、このお屋敷とこの亡くなった方とネコさん騒動は続きます。。。
お盆の時期に導かれたのだと覚悟をしております。
すべての存在に天界の最高最善の愛と光を



