11月は一年で一番好きな月です。
やはり自分が生まれた月には特別な愛着をもつものですが、それだけではなく、この11月の地味さがとても居心地が良かったからでした。
でした、というのは、最近の11月はまるでクリスマスの助走のような月になってしまっていて、本来の地味で、もうすぐ冬が来るという心中の寂しさ、暗さと、木々の落ち葉が舞う風流さとなど、わびさびが交わって良い感じに日本的であった月と違い、最近は変な西洋風な華やかさが加わってしまい、11月らしさが無くなってしまった、と寂しく感じられるのでした。
でも日本では時々見掛ける子供達の七五三の正装姿に、日本的な風流さを感じていたものでした。
たぶん数年前までは、10月は街の商業的な装飾でハロィーンの派手なオレンジ一色になっていたものが、11月1日の早朝になるとまるで、オレンジが蜃気楼であったかのように消え去り、街は本来の秋色になり、地味な落ち着きを取り戻し、そして12月になった瞬間にまた街は、魔法が掛かったように、赤と緑と色とりどりのイルミネーションで輝き出すのが良く見られていた光景でした。
そのメリハリがとても楽しく心湧きたつものであったのですが、ここ数年は11月からクリスマスのイルミネーションが始まってしまう為に、人々は本当のクリスマス近くになってくると、クリスマスお祝いムードに疲れてしまい、もう心はすでにお正月休みに突入しているように見えます。
まあ、ほぼ引きこもり状態の私には外の世界の賑わいはあまり関係のない世界なのですが…