先月、珍しく母から電話があり、知り合いのご近所にいる猫のことで相談を受けました。
知人のご近所で、猫好きなひとり暮しの老婦人がおり、その方が軽い認知症になっしまい、よそに嫁いだ娘さんが急に現れ、その母親を無理矢理、老人ホームに入居させてしまった、実は家の中に一匹猫がいて、その猫を置き去りにしたままになっている、ご近所の皆さんは優しい方々が多く、その置き去りにされている猫が心配でどうしたものか、ということで、私に相談が来たのでした。
娘さんはきっと家を売りたいから、母親を無理矢理老人ホームに放り込んだのでしょう。
1週間に一度やってきて、猫にどっさりと餌を置いていき、トイレもそのままにしてあり、悪臭が近所にまで漂っているというのです。
暑い夏でも、雨戸が締め切られており、室温が40度を超していたらしいというのです。
なんという鬼のような娘さん・・・
母は「面倒そうだから放っておく?」と、相談しておきながらも冷たく言い放ちました。
母の世代で、特に地方出身の人は、猫は放っておくもの、という固定観念があるようです。
私は「放っておけん!!」と反論し、いつもお世話になっている、地元のエキスパート猫ボランティアさんにまずは相談し、そのお宅に行って頂くことになりました。
そして、こちらも捕まえてくださったら、その猫をもちろん、こちらで引き取るという交換条件を出しました。
お願いだけして、丸投げだけはできません。
猫ボランティアはすべて持ちつ持たれつ、お互い様です。
その地元のエキスパートボランティアさんは、ものすごい忍耐強い努力と行動力の素晴らしいお方ですが、穏やかな方で、猫活動リーダーさんの中では、本当に希少で貴重な存在です。(本当にそうなのです。他の方々は普通に会話をするのも大変で気遣いで胃が痛くなりそうな方々ばかりです。だから、この方にばかり皆さんが頼って来て大変な思いをされています)
そのエキスパートのMさんが3日間ほど、捕獲器を仕掛けてくださいましたが、気が小さいという雄猫ちゃんは、押入れの中に閉じこもったまま、まったく出てきてくださらない、ということでした。
最後は、ベテランボランティアさんが参戦し、手掴みでその子を捕まえてくださったということです。
すごい!
その雄猫ちゃんは「ちびちゃん」と呼ばれていた、とっても大人しくて穏やかな、ものすごく良い子でした。
しかし、猫エイズキャリアであり、それで、そのお母さまは大事にしていたのかも知れません。
その娘さんも実は、ありとあらゆる猫団体に問い合わせて、引き取って欲しいと言っていたものの、すべて断られていたそうです。
それでこちらが、引き取るというと、ものすごくお喜びでご寄付をしてくださいました。(厄介払いができて良かったですね。これで家が高く売却できますね)
チビちゃんは何をされてもまったく怒らない、本当に良い子でした。
そして、実はこちらのご近所で穏やかな大人猫ちゃんをお探しの一軒家にお住まいの猫ベテランのご婦人のもとに、あっという間に引き取られて行きました。
すごい奇跡です!
そのご婦人も、亡きご主人の放蕩に相当、ご苦労されたお方で、きっとチビちゃんに癒されることでしょう。
老人ホームに入られた、軽い認知症のお母さまの念願叶いました。
良かった良かった。
メデタシメデタシ!