この数日間も猫の大騒動に巻き込まれておりました。
まずは多頭飼育の現場に連れて行ってもらうと、その地域は、地獄の底のような渦がぐるぐる回っており、胸がむかつくほど具合が悪くなったあと、なぜか携帯電話が突如消えてしまうというハプニングがありました。
気が動転してしまい、警察に紛失届けを出した後、通ったルートを戻り探してはみましたが、まったく見当たらず、再度、その地獄の底のような場所に戻った時、ふと聖アントニウス、という名前が浮かんで参りました。
聖アントニウスは無くしたものを見つけてくれる聖人です。なぜ早く聖アントニウスに願わなかったのか!と思いながら、「聖アントニウスよ、私の携帯電話があるところを教えてください、目の前に見せてください」と唱えながら、何度かその場所を回って探してみると、一緒に探してくださっていたエンジェルNさんが突然「あった!」と叫び、道路を指さしたのです。
すると、ありました!汚れてボロボロになった青い皮のカバーの懐かしい携帯電話が、その青い目立つカバーが開いた状態でだらしなく道路に寝そべっておりました。しかし、道路脇に転がっていた為に、車にも轢かれることなく、まったく無傷で無事でした。拾い上げた途端に着信音が鳴り、動物病院からマリヤの乳がん切除の手術が成功したという知らせの電話でありました。
これも大いに意味があることだと思い、天界の奇跡に感謝感激致しておりました。
そしてまたその翌日、仔猫と母猫を捕まえようと試みたところ、母猫の方が先に捕獲器に入ってしまいました。
理想としては仔猫を先に捕まえてから、母猫を後にした方が良いのです。
しかし、仔猫の方がどうしても捕まらず、本当に心が痛みましたが、病院に連れていく時間のタイムオーバーとなり、仔猫を置いて母猫を不妊手術させる為に、病院に連れて行ったのでした。
母猫はそのまま入院となりました。水曜日は病院の定休日であった為に、木曜日のお迎えとなり、2泊の入院となります。
その2日間の間、仔猫を置き去りにすることになってしまうのです。
母猫を探して泣き叫ぶ声を聞きながら、心がずきずきと痛みましたが、仕方なく母猫を入院させることになりました。
その2日間の間、なんとかして仔猫を保護しようと試み、ご近所中の人達が出てきて、なんだかんだとアイデアを出し合い、小鳥を飼っている方がカゴを捕獲器のように設置してくださったり、網を用意したりしましたがどうしても小さな体が、すっぽりと塀の隙間に入り込んでしまっている為にどうすることもできませんでした。
最終的には大人用の捕獲器を設置しましたが、他の大人猫が入ってしまったりし、どうしても捕まえることができなく、丸2日間、私もエンジェルNさんもご近所の方々も眠れぬ夜を悶々と過ごしていたのでした。
今朝は、ふと、動物とのコミュニケーションを司る聖フランチェスコと大天使ラファエルのことが意識に浮かびあがり、いつもより真剣に願うことにいたしました。
そして今日は、もっと努力しようと思い、マジックハンドを使って塀の上から手を伸ばして捕まえるしかないと思い付き、ホームセンターに行きマジックハンドを購入して参りました。
しかし、そのマジックハンドではどうしても短すぎて、高い塀の上からは下に届きません。
ひとりで悪戦苦闘しているところに、そのアパートの2階にお住まいの初老の男性が降りて参りました。
その方は、何をしていたか訊いてくると急に、一緒になって脚立に登り、暗い塀を隙間をのぞき込み、棒を使って追い出せとか、棒が届かないと知ると、ホースを塀の穴に入れて、仔猫を追い込もうとか、必死になって手伝ってくださろうとするのです。
少しずつ、仔猫を暗い隙間から明るい方に追い込んでいくと、小さい隙間からふっと外に仔猫が飛び出してしまいました。私はすかさず、タオルで捕まえようとしましたが、その男性は無骨な手を広げて、素手で仔猫を掴んでしまったのです。
すると「痛い!わー噛まれた!」と大声で叫びながらも男性は決して仔猫を離しませんでした。
親指が噛まれ牙が指を貫通してしまい、親指からは血が滴っておりました。
私は必死に仔猫を網で包み込むと一緒に外科の病院に行きましょう!と男性を促しました。
しかし、約束があるからいけない、とおっしゃり、私がたまたま持っていた抗生剤の塗り薬をつけるとそのまま自転車で去って行かれました。
なんと申し訳ないことをした、と思いましたが、あの男性はまさに聖フランチェスコと大天使ラファエルの御使いに違いないと確信致しました。
大きな傷は出来たものの、きっとあの方は大きなお徳積みもし、血の浄化をしたお陰で、何かが良い方向に向かうのではないかと感じ取りました。
これで仔猫は無事に保護され、明日の譲渡会に退院した母猫と共に出すことができます。
今晩仔猫は一泊、仔猫の捕獲に苦労し、情も沸いているエンジェルNさん宅で休み明日の早朝に所沢のSさん宅に向かうことに致しました。
母猫と離れて究極の不安と寂しさに鳴き続けていた日々が明日で終わります。
私達も、ようやく仔猫オオトリもの劇から解放されてほっと一安心です。
なんという日々・・・・きっと猫活動が佳境を迎えているということでしょう。
度重なる試練の日々にただ感謝・・・