jupes jupesの日記

Lanai Fukudaのくだらない日々

サンちゃんのファミリーヒストリー

 

Sさんの最愛のパートナーである「サンちゃん」こと、サンダルフォン君(大天使サンダルフォンに由来する)のルーツが判明しました!

 

 

現在、ご近所で猫活動をお手伝いしてくださるようになったAさんの所属する会にいる方が元飼い主さんでした。

 

T.N.R.でお車の搬送中、ふとAさんが「多頭飼育」というキーワードで、Mさんのことを思い出されたのです。

 

早速、気になるMさん宅に行ってみるとお留守でしたが、外からも分かるほどたばこと猫の尿の入り混じった匂いが漂ってきていて、これはただものではない嫌な予感がして参りました。

 

・・・

 

サンちゃんと私が出会ったのは、2018年の5月頃で、Sさんが所沢にお引越しをする直前でした。

 

サンちゃんんは、毎朝、毎晩、私の家の玄関前に駐車している車の下に潜んでおり、日が暮れると同時に、また夜が明ける直前に、そっと玄関前の餌を食べに来ていたのです。

 

初めの頃は暗闇の中でなぜか長毛に見え、容貌が『グレムリン』のギズモのように見えていた為に、ギズモちゃんと呼んでおりました。

 

何度も捕獲器で、捕獲を試みたのですが、何度仕掛けても捕獲器には入らず、私が遠くから見ていることに気が付き、私の顔をじっと見つめて去って行っておりました。その姿は猫ではなく、本当にギズモのような不思議な雰囲気を漂わせていました。

 

もし、この子が捕まったらSさん宅で引き取ってもらおうとしていたのですが、何度仕掛けても掛からず、Sさんのお引越しの日が迫り、もう諦め掛けていた時でした。

 

なんと、ぎりぎりのSさんのお引越しの当日にギズモちゃんは捕獲器に入り、Sさんが引越し用に借りたレンタカーで朝、去勢手術を受けさせるために、病院に連れて行ったのでした。

 

しかし、サンちゃんはもう去勢済みの雄の猫ちゃんであったのです。(時々、隠れたボランティアさんが、外猫ちゃんを捕まえては去勢不妊手術を施してくださっています)

 

サンちゃんはSさんのお引越しの日からSさんと新居で共に生きることになりました。

 

捕獲して初日はケージに入れておいたところ、翌朝にはサンちゃんはケージから出てきて、Sさんの寝床に来てSさんの顔を舐めまくり始めたと言います。

 

Sさんは少し前に亡くなった愛犬「ココ」ちゃんがこの猫ちゃんに入ったに違いないと確信したそうです。

 

なぜなら、しぐさもやることなすこと、亡き愛するココちゃんに似ていたそうなのでした。

 

 

その後、時間差で、サンちゃんにそっくりな猫ちゃんもまた私の玄関前で捕獲され、Sさん宅に引き取られることになりました。

 

この雄猫ちゃんは去勢がされていませんでしたが、巨大な身体には似合わない繊細で甘えん坊な可愛らしい性格の子でした。この子は「アンちゃん」(聖アントニウスに由来する)と名付けられました。

 

私はこの雄猫が、サンちゃんと顔も毛の模様もそっくりであり、サンちゃんの弟だと勝手に思い込んでおりました。

 

しかし、保護された後、なぜかアンちゃんはサンちゃんにいつもSさんを巡ってやきもちを焼かれていじめられていました。

 

その後、アンちゃんは、やはり近くで保護された仔猫の女の子エムちゃんの面倒をとってもよく見るようになり、その女の子エムちゃんと共に、良いお宅に里子に出されていきました。

 

その後もサンちゃんはSさんが好きで好きで死ぬほど好きでたまらない、といった感じでSさんから一時も離れたくないとまとわりつき、Sさんが旅行に行かれている間は血便を出したり吐きまくったりという、大変な恋人を演じつつ今日に至っております。

 

そのサンちゃんが、実には過酷な歴史があったのでした・・・

 

元飼い主のMさんは、ちょっと発達障害の疑いがある40代後半の女性でした。

 

確か、仙台ご出身で、ご両親や兄弟達に借金を繰り返した後、3年前に、家を追い出されて男性と共に東京にやってきたそうです。その時、その男性が、仔猫の兄と妹を連れていてその猫ちゃん達と共に同棲を始めたそうなのでした。

 

しかし、Mさんのだらしのない生活を見るに見かねて、その同棲相手からも見切りをつけられ追い出されそうになったらしいのです。

 

その時、手を差し伸べたのが、同じ会に所属していたAさんでした。Aさんはお若いのにとってもしっかりとした賢い方で、いろいろとMさんにアドバイスをして、生活保護を受けるようにさせ、アパートに移り住むこともお手伝いされたそうなのです。

 

その後、Mさんは仔猫2匹と共にアパートに移り住んだそうなのですが、朝から飲酒とタバコの生活をし、働きもせず、アパートに国から支給されていた家具を売り払いながら生活をしていたそうです。

 

そして、ついに電気もガスも止められてしまい、時々Aさん宅に来てはもらった乾物のソウメンなどを湯でさせてもらっていたそうです。

 

猫ちゃんの餌も買えず、Aさんに何度か買ってもらっていたとのことです。そうしているうちにそのアパートのごみが堆積し過ぎて、帰ることができず、新たにできた彼のアパートに転がり込み、一週間に一度帰っては猫にご飯をあげていたとのことです。

 

そうしている間に、兄妹の間に2匹の仔猫が産まれてしまったそうです。

 

Mさんはそれを見て見ぬ振りをしているうちに、3匹の猫達はその家に耐えられず、網戸を破って、2階から脱走してしまったそうなのでした。

 

その内の父親猫と仔猫の雄が、サンちゃんとアンちゃんのはずです。

 

なぜ「はずです」と言うのかというと、Mさんの記憶があいまいで、Mさんが見せてくれた脱走した猫ちゃんがどうみても強烈な特徴のあるサンちゃんのはずなのに、「違う気がする」といったり、仔猫もサンちゃんにそっくりなアンちゃんのはずなのに、「さあ」と言うし、逃げた日時もあいまいで「去年暑い時期に逃げたと思う」とか、とにかく何もかも信用ができない人物と見受けられました。

 

そしてあともう一匹の母猫の方も「近くで見掛けたけど仕方ない」と言って追跡するのをすっかりと諦めています。

 

Mさんと私の住んでいる場所は30メートルくらいしか離れておらず、楽々と猫ちゃんの行動範囲内のはずです。

 

Mさんのことはどうなっても構いませんが、あと、残されているサンちゃんの子どもと、脱走しているサンちゃんの妹猫ちゃんが気になります。

 

アパートに残っているサンちゃんの子どもは、説得の後、今度去勢手術をすることにはなりました。

 

しかし、あのドロドロのごみ汚部屋に返して良いものか、心が痛みます。

 

サンちゃんはSさん宅に引き取られて地獄から天国に昇ったかのようでしょう。

 

きっとSさんの亡き愛するココちゃんがサンちゃんの中に入り、「ここから脱出しなさい!」と命じたに違いありません。

 

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最初の頃のサンちゃん

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次第にこんな感じに・・・

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いつもびくびくしていたアンちゃん(現在、空君)

 

どうみたって血縁でしょう! Mさん! サンちゃんとアンちゃんは!

 

 

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現在、空君、茜ちゃんと呼ばれている超ラブラブカップ