jupes jupesの日記

Lanai Fukudaのくだらない日々

黑兄弟姉妹の旅立ち・・・

昨日13日は、黒ちゃん5兄弟姉妹のうちの黒姉妹2匹をお届けして参りました。

 

 

またまた、快適なHさまご夫妻のお車で、最高に良い季節の一日、暖かい日差しの中を紅葉ドライブをしていただきました。

 

今回のお宅は、おおにし動物病院さんのお近くのエリアであり、いつも通って頂いている道で親しみを感じておりました。

 

今回の5匹の黒兄弟姉妹は、問題のT地区から保護された子達でした。

 

ずっと以前からネコ多発地帯であったようなのですが、住人の皆さまが、長年放置していた問題にようやく重い腰を上げはじめ、皆さまが協力をして一生懸命、捕獲に取り組んでくださり、数か月越しで捕獲作業をしてくださったのでした。

 

最初に3匹の黒兄弟姉妹が捕まり、これでおしまい、と思っていたら、ちょっと離れた場所に残りの2匹が見つかり、何度も捕獲器慣らし訓練をして頂き、最後の2匹が捕獲できたのです。

 

この5匹の子ネコ達の母ネコは、母ネコの鏡のようなネコちゃんでありました。

 

ずっと庭に来る、母子を観察してくださっていた保育士のNさんのお話によると、母ネコは子ネコ達を人間の目の届かないところ、カラスに狙われないところというように、安全な場所に何度か移動させて隠していたそうです。

 

そして、実は自分は、お隣の団地のMさんのお宅で半分飼い猫状態であり、「ルルちゃん」と呼ばれて可愛がられていたようです。

 

ルルちゃんは、Mさんが毎食、茹でて割いたささみの肉をもらうと半分を自分は食べ、残り半分を子ネコに運び与えていたそうです。

 

ルルちゃんは、のちに分かったことですが、子ネコ達を産んだ直後、偶然捕獲器に入ってしまい、母ネコと誰も知らないうちに不妊手術がされていたようです。子ネコ達は、母ネコがいない2日間でも奇跡的に助かって良かったと思います。

 

ルルちゃんはカラスのいない時間の良いお天気の日になると、子ネコ達を日光浴させてから、塀に登る訓練をさせていたそうです。

 

まずは自分がお手本を見せ、その後、体力のある子から順番に登るように促し、全員が登れるように厳しく指導をしていたそうなのですが、そのうちの2匹は塀に登れず、母の目を盗んで怠けていたそうです。(あのおっとり男児たちに違いない)

 

その子達をルルちゃんが「さあ、怠けていてはダメ!登りなさい!」と唸ると、子ネコは「ち!」と不満そうに鳴き、目を三角にして逃げだそうとするのだそうです。

 

その脱落子ネコを追いかけて捕まえ、また「登りなさい!」と促し、それを何度も繰り返し、皆が登れるようになるまで指導の手を緩めかかったそうです。

 

その子達がまずは3匹、急に消えてしまい、ルルちゃんはショックで鳴きながら探し回っていたそうです。

 

そして2週間後に残りの2匹が捕獲器の中に入ってしまった時は、ルルちゃんはずっとその捕獲器から離れず、鳴いていたそうです。

 

そして、子ネコが連れて行かれてしまっても、その捕獲器が置いてあった場所から数日は離れず、ぐるぐると回りながら探していたとのことです。

 

私もその場に居合わせており、その子ネコ達が入った捕獲器を私が運ぼうとすると、その母ネコがそばから離れず、「私の子達をどうするつもり?」とばかりに、金色の瞳で私の目をじっと見つめて訊いてきたのです。

 

私は母ネコ、ルルちゃんの目を見つめ返し、

 

「心配しないでください。この子達を絶対に幸せにします。良い人間の家族の元に送ってあげるから安心してください」

 

と母ネコ、ルルちゃの心の中にうったえると、ルルちゃんはゆっくりと何度も瞳を閉じて、

 

「宜しくお願いします。私の子達を幸せにしてください」

 

と返して参りました。

 

私は母ネコ、ルルちゃんに子ネコ達を託され、重大な責任を負ったのでした。

 

その後、そのルルちゃんのお世話をしている団地のMさんのお話をうかがうと、子ネコ達が全員いなくなった後、ルルちゃんはMさんのところに戻り、もらったささみの肉をその場で全部平らげ、部屋の中に入って毛づくろいをした後、夜まで何時間も死んだように寝ていたそうです。

 

それまでは朝、餌を半分だけ食べて、残りを子ネコのところに一日中、何度も何度も運んで、子ネコ達に、人間界(意地悪な鬼婆もいる地域)の隅っこで生き残る為の、サバイバル特訓指導しなくてはならなかったのです。

 

ルルちゃんはその母の責務から解放されて、心底安堵したのでしょう。

 

私は母ネコ、ルルちゃとかわした約束で、最高に良い人間の家族を見つけるという重大な責任を負わされてしまった為に、家族探しは、慎重に時間を掛けて、と心に誓っておりました。

 

この5匹の兄弟姉妹は、ルルちゃんがしっかりと授乳をした後、良いものばかりを食べていた為に、とっても健康で黒い毛並みがつやつやのふわふわな美しい子達でした。

 

またルルちゃんが半分飼い猫状態であった為に、人に対しては攻撃性がなく、一度も噛み付いたり、パンチをお見舞いしてくることもありませんでした。

 

ただ、ずっと住宅街で、人目を避けて隠れていたために(鬼婆の魔の手攻撃から逃れていたのです)人のことは怖くて仕方ない、という感じでした。

 

私やMさん、そして時々来てくださるボランティアさん達総出で、できる限り毎日、首根っこを捕まえては抱っこ攻め、なでなでしまくり攻め、おもちゃ攻めをしていると、ようやく人間に心を開くようになって参りました。

 

少しずつ慣れてきたら、あとは人の家族のお宅で慣れてもらうのが一番です。

 

ここで私達だけに慣れ切ってしまうと、他のお宅では慣れなくなってしまうからです。

 

次段階として、5つのペットサイトで募集を掛けます。

 

黑子ネコはとっても人気があるため、やはり募集を掛けるとたくさんのお問合せがありましたが、ちょっと違うな、と感じる方は、一回のやり取りでお断りをしておりました。

 

そして、何人かの候補の中で、とても良い感じがするご家族さま方、数家族にお越し頂き、まずはおっとりとした男児2匹が決まり、11月4日に、Hさまご夫妻のお車で、ちょっと遠い、江東区の清澄までお届けさせて頂きました。

 

そのご夫婦さまは、自営業でおもちゃのデザインをされていらっしゃるという、しっかりとして寛大な感じのご主人さまと、お優しい奥様のお二人でお子さまはいらっしゃりませんでした。

 

古くて頑丈な商業ビルのワンフロアー全部がご自宅であり、子ネコちゃん達の為に、一生懸命、お宅をネコ仕様にしてくださっていました。

 

お子さまがいない分、ふたりの息子を迎える気持ちで頑張ってくださるそうです。

 

可愛い可愛い黒君たちとお優しいご夫妻

ネコ家族認定書と共に、後日クロちびとクマちゃんになったとのことです。

その後、頂いたメールでは

 

「可愛くて可愛くて仕方がない、ずっと見ていても飽きない」

 

と嬉しいお言葉を頂きました。

 

巣だっていった子達が幸せになってくれるのが、なによりのネコ活冥利です。

 

そして、昨日は、黒姉妹のお届けでした。

 

一匹はしっぽがまっすぐ長く、かくれんぼ上手で小食、シャイな性格。

 

もう一匹は、短いカギしっぽで好奇心旺盛食欲旺盛な真反対姉妹でした。

 

5兄弟姉妹は、皆真っ黒で最初は見分けがつきませんでしたが、一か月も見ていると、はっきりと性格も体の特徴も区別がつくようになって参ります。

 

来た当日は、ケージの隙間から頭が出てしまい、5匹全員、脱走してケージの下に潜んでおりましたが、2倍以上も大きくなり、ケージからは出られないくらいになりました。

 

姉妹が嫁いでいったお宅は、まだお若いご両親と高校生と中学生のお嬢さんのいるお宅でした。

 

こちらの子達も女の子達で、お父さまが白一点となります。しかし、そのご主人も鼻の下を伸ばすくらいに嬉しそうにしてお迎えくださいました。

 

まだ新しいお宅には、玄関からミニフグの水槽がお迎えしてくださり、リビングにもお嬢さんの学校で理科の観察で使われていたという日本トカゲの水槽が置かれ、外にもいくつか観賞用の魚の水槽が置かれており、動物好きなご家族さまと感じました。

 

おうちの中には、ネコをお迎えするにあったってのご準備が完璧にされていらして、感激致しました。

 

またすべての窓に脱走防止の柵が頑丈に施されており、網戸にもベビー用のロックが付けられていて、完璧でした。

 

日曜大工がお好きというご主人は、今後、天井にキャットウォークを作ってくださるとおっしゃっていました。

 

お嬢さん方も子ネコちゃん達に夢中になっており、嬉しい限りです。

 

 

素晴しいご家族さま。命名、おはぎちゃんともなかちゃんの認定書と共に

 

残った女の子、一匹は21日に世田谷の新婚ご夫妻のお宅にお届け予定です。

 

その子は、何かのストレスか、少し前に血尿が出ていましたが、投薬とヒーリングで完治したと思います。

 

あともうちょっと・・・

 

これで、母ネコちゃんと誓った約束は果たしてこれたかな?

 

実は、その母ネコ、ルルちゃんは団地のMさんのお嬢さんが家ネコ訓練をしているそうで、抱っこできるようになったら、募集を掛けたいとおっしゃっています。

 

黒い毛が虹色のグラデーションに輝くようなきれいな黒ちゃんですから、かなり家ネコになれそうな気がします。

 

しかし、子ネコが減ってきたと安心はできません。

 

現在、埼玉県の破産した養豚場から保護された茶白君が参りました。

 

その養豚場が人手に渡る可能性があるということで、現在20匹ほどいるネコ達の行く末をボランティアさん達が試行錯誤していらっしゃるということです。

 

養豚場では、増えすぎたネコ達が養殖豚用の廃棄パンの耳を与えられていたということで、心が痛みます。

 

また今月末には、出戻りの茶トラ兄妹が参ります。

 

なかなか終わりがございません。。。

 

やはりもっと多くの市民に、ネコ問題を共に取り組んで頂きたい、と切に願います。

 

これだけ多くの人口があり、ネコ好きの方々が多い世の中です。

 

ネコは好きだけど、重たい責任を負いたくない、と人任せにせず、同じ市民として、責任をシェアし合いましょう!

 

切に切に願います。