jupes jupesの日記

Lanai Fukudaのくだらない日々

メイちゃんと亀おやじ

最近の猫ハウスの動向

 

一年ほど前に、庭に3匹の仔猫がいるという知らせを受け、TNRをお手伝いしたお宅から譲られていった「ゆず」君が、なんと脱走してしまったという知らせを受け、すぐさま捕獲器を用意し、捕獲保護のお手伝いをいたしました。

 

その後、飼い主さんが、3キロもやせるくらいに頑張り通し、約10日間余りで無事にゆず君は保護されました。

 

しかし、その話を同じスポーツクラブに通っていた人達が聞きつけ、その飼い主さんから勝手に紹介されたという男性から突然、

 

「うちに来る猫を捕まえて欲しい」

 

という電話が参りました。

 

唐突な依頼に私は、

 

「こちらは外にいる未手術の猫の不妊去勢手術は行ないますが、単に庭に来る邪魔な猫の捕獲は致しません」

 

と、その男性に強く伝えると、

 

「そちらは猫が大事で愛護活動をしているかもしれないが、こちらは飼っているペットが猫に酷いことをされて困っている。猫だけ大事にされるのは不平等だ。うちの庭には高い鯉がたくさんいる。亀も飼っていて、その亀の足を猫に喰われた。お宅は猫だけに愛情があるかも知れないが、こっちも愛護の精神で鯉も亀も大事なんだ。なんとかしろ」

 

という旨を極端すぎるような丁寧な言葉遣いで、正当性と正義感を理路整然に述べて参ります。

 

しかし、内容は酷く自分勝手で、こちらのボランティア活動を理解しようともしない、ただ慇懃無礼な嫌なおっさん、と判断し、

 

「未手術の猫であったら捕獲のお手伝いをします。庭に来る猫を捕まえてくださいますか?」

 

というと、

 

「未手術に違いない。野良だ、なんとかしろ」

 

と再三責めて参ります。

 

しかたなく、とりあえずお宅に伺ってみると、たしかに日本庭園風の庭に、人工の小さい池が造られ、そこに錦鯉がたくさん泳いでいました。また大きな水槽も並んでいて、その方がおっしゃるには、

 

「この鯉は一匹、数十万から数百万もするものだ。猫に襲われたら大変だ」

 

とおっしゃいます。

 

また駐車場には黄色に塗られたランボルギーニが停められ、わざわざ駐車場の壁に「何年型のランボルギーニ・・・」のような説明と写真が展示されていました。

 

とても誇らしげであったので、一応、いわれを訊ねてあげると、

 

「これは海外のレーサーから譲ってもらった。値段が付けられない程、価値がある。たぶん数千万円だと思う。他にも品川の別宅に停めている。これは公道を走れないし、コンビニすら停められないから展示しているんだ」

 

などと自慢げにおっしゃいます。

 

邸宅(それほど素敵ではない普通の平屋)につづく敷地の大きな駐車場も貸していて、その隣の新築のワンルームアパートも一部屋10万円ほどで貸している、土地の固定資産税、相続税が大変だ、自分は仕事をする必要がないから、日中はジムのはしごだけしている、だから猫を捕まえるのはなんてことない・・・

 

などと、くわえたばこをしながら、自慢が止まりません。

 

その方の見た目は、日焼けサロンで焼いたに違いない浅黒い顔(肝臓が悪いせいもあると推測)に肩まで伸ばした長髪(黒く染めていると推測)を片手でカッコつけて掻き分け(芸能人を意識しているのか。薄い髪の毛が風に飛ばされ抜けそうで大丈夫かと案じてしまう)、ジム通いで鍛え上げられた身体(痩せこけた身体がみすぼらしく貧乏くさい)に上下60年代アメリカンファッションのビンテージ・ジーンズをびしっと着こなし(バブル時代の化石、時代遅れ、年齢に合っていなくヤンキー崩れに見える)、寒風の中で、こちらのことをお構いなしに、延々と滑舌滑らかに演説が続きます。

 

その方は、選ばれし人間と勘違い甚だしいナルシスト亀おやじでした。しゃべる内容も「自分は鯉と亀を大事にしている動物愛護精神にあふれた人間、実は犬も猫も大事に思っている」と自分がどれだけ素晴らしい精神を持っているかを主張します。

 

その前に、電話で話している時は、絞り出すような声でぜいぜいしゃべっていた為、70代くらいのじいさんかと思っていたら、60代くらいの方と見受けられました。

 

憶測では甘やかされて育ったボンボン放蕩息子であり、たばこと酒でつぶれてしまった声帯に、好きなものしか食さないジャンクフードで育った栄養不良の肉体に違いなく、必死でジムに毎日通っていても、不健康極まりない方とみなされました。

 

そんなはっきり申して胸糞の悪いおやじに捕獲器を渡すことがかなり躊躇されました。

そこで、何度も

 

「貸すのは良いのですが、あくまでも、愛護精神の元、捕獲器を扱ってください。もし捕まった猫をどこかに持って行って捨てたり、また放置するようなことがあったら、犯罪になりますよ」と強く伝えると、

 

「それはもちろん分っている。前は捕まえて懲らしめようと思ったけども」

 

としゃあしゃあとおっしゃいます。

 

かなり心配であったので、何度も電話をして指示を出し動向を見守っておりました。

 

そして先週、着信があった為に掛け直すと、

 

「茶色の猫が入っているから来て欲しい」

 

とおっしゃいます。

 

お車を出してくださる方が、ちょうどいらしたので、行ってみると大きな長毛の茶色の猫ちゃんが捕獲器の中でぽかんとした顔をしています。しかし、明らかに耳がさくらカットされているさくら猫ちゃんでした。

 

「この子は地域猫ではありませんか?」

 

と聞くと

 

亀おやじは

 

「そんなこと知らない、どこかに連れていってくれ、この庭に入ってもらったらとにかく困るんだ」

 

とおっしゃるので、

 

「この子が何か悪いことでもするのですか?ここをトイレにしているのですか?」

 

と聞くと、

 

「別に何もしないけど、とにかくここに入ってもらいたくない、どこかに連れて行ってくれ」

 

と最初の依頼とは話が違う方になっており、なんと勝手な、と憤りましたが、ここに放すとこの亀おやじがこの猫に何をするか分からない、と判断し、とにかく動物病院に連れていくことにいたしました。

 

動物病院の診察時間にぎりぎりでしたが、なんとか獣医さんに診て頂くと、やはり手術済みのさくらカットが施してある耳であり、また頭部に怪我の治療をした跡がありました。

 

長毛で美しいメインクーン似の猫ちゃんであり、あまり野性味がありません。

 

たぶん、捨てられたか、置き去りにされたか、または脱走迷い猫ちゃんのような気が致します。

 

あの亀おやじのところには戻すことがはばかられ、こちらで保護することになりました。

 

保護してから数日間で、すでに松本さんのプロの慣らしのおかげで、松本さんのブラッシングに気持ち良さそうにしています。

 

長毛の毛が絡み、毛玉が多く、きっと放浪している間は痛かったに違いありません。

 

以前の飼い主さんは、松本さんに似ていらしたと思われ、松本さんだけに心を許して甘えています。まだ他の人には心を許さず、私にも威嚇し引っ掻いて参ります。

 

しかし、時間と愛情を掛けていくと、とても素晴らしい家猫ちゃんに戻れるはずです。

 

あのランボルギーニ亀おやじの来世は猫ちゃん達にいたぶり殺される害虫か、塩をかけて溶けるナメクジのイメージが出て参ります。

(私は呪いをかけておりません。呪いを掛けたら鏡返しで返って参りますから)

 

 

また猫ちゃん達の新たな家族探しを頑張ります・・・

 

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ところで、我が玄関に新しい脱走防止扉をつけました

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陽だまりエンちゃん


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ベランダに

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Hさまの奥様お手製の恵方巻蹴り蹴り