8月8日の「世界ネコの日」に、ひとつの現場に市役所の方と調査に行った後、ほっとしたのもつかの間、
5時PM過ぎに、その現場に来られていた市役所の方から電話があり、
「ネコの糞尿被害のクレームがあった現場に行ってみたら、アパートの脇にぐったりとしているネコがいました。なんとかしてください」
とだけおっしゃり電話が終わってしまいました・・・
はあ・・・
ため息・・・
いつも市役所は丸投げ、とちょっとだけ苛立ちましたが、その子を放っておくわけにもいかず、シェルターにちょうどいらっしゃった、ボランティア候補の方と、松本さまのお車で現場に向かいました。
そこは、以前からネコ多発地帯であった場所で、1年以上、捕獲を続けてもらっている現場近くでした。
行ってみると、市役所の方がおっしゃったその場所に、ぐったりとして息も絶え絶えな三毛ネコちゃんがじゃりの上に寝そべっているのを発見致しました。
側に行ってもまったく反応がなく、ボランティア候補さんと共に、持っていったキャリーバックに押し込むとかすかに可愛い声で「ミー、ミー、ハイーハイー」と鳴いています。
車で運んでいる最中も甘えた声でこちらの呼び声に応えて「ハイーハイー」と切なく鳴くのでした。
どうみてもかつて家ネコであったに違いない慣れ具合でした。
きっと捨てられたか、脱走してきた子に違いない、と思い、まずは病院へと急ぎました。
私はもう餌やりの時刻をとうに過ぎていましたので、松本さまとボランティア候補さんにお任せをして、おおにし動物病院さんに行って頂きました。
おおにし動物病院さんの診断では、8歳くらいのメスで、腎臓も肝臓の値も測れないくらいに悪い、ということでした。
こちらではお世話しきれないために、数日間の入院をさせて頂くことになりました。
なんとか入院させてもらっただけでも安心です。
そうしていると、翌朝7時。その現場の近くの方から電話があり、そのネコの飼い主を知っているから連絡を取ってみるという旨でした。
すぐにその飼い主とおっしゃる高齢の女性の方からお電話があり、
「その子はうちの子。自分がこの間、救急車で運ばれた時に、玄関のドアがあきっぱなしになっていて逃げてしまった。近所の猫嫌いの人が追い払ってイジメている。その子は以前、具合が悪く病院で診てもらった時に、腎臓が悪いと言われている。自分はもう83歳で面倒見れず、一緒に住んでいる息子も働いているから面倒見れない。そちらでお願いします!ご親切様!」
という旨の内容を、弾丸のようにまくしたて、一方的に、有無を言わせずガッシャとばかりに切られてしまいました。
なんということ。
飼い主さんの放棄です。
でも致し方ないことです。
あのままじゃりの上で蟻に噛まれ、ノミダニにやられ、カラスに突っつかれて死んでいくよりも、こちらの空調の効いた場所に来て、医療を掛けてあげられただけでも良かったとします。
持ち上げた時に、まるでキャリーバックの中は空気だけのように軽い子でした。
獣医さんによるともう一月以上も水も食べ物も摂っていない極度の脱水状態であったそうです。
しかし、飼い主さんのアパート階下にずっと座り込んでいたのです。
その心無い飼い主さんを待ち続け、抱っこして助けてもらいたかったに違いありません。
その子は、まったく飼い主さんを恨んでもいません。
その子の気持ちを感じると切ない気持ちになります。
きっともうすぐ天使になる子でしょう。
ネコ生、最期の一瞬でも良い思い出ができますように・・・
あわただしく写真が撮れずにおりました・・・