2月5日
楽ちゃん、ことラクシュミーさんが天使になりました。
入院先の動物病院で午前中に亡くなったそうです。
新しいご家族さまのもとに旅立ってからまだ10日あまりのことでした。
新しいご家族さまのOさまによると、楽ちゃんは徐々にフードを食べなくなり、ぐったりとして、お気に入りのドームの中で寝てばかりいて、最後の方は大好きであったちゅーるも半分しか食べられなくなり、そして、最後のちゅーるを食べて吐き、その勢いでよろよろと倒れてしまった、とのことでした。
そのご報告をいただきいてもたってもいられず、楽ちゃんをずっとお世話してくださっていらしたMさんがOさん宅までうかがい、帰ってこられたOさんを説得し、以前かかっていた病院に楽ちゃんを連れていき、入院をさせてくださったのでした。
楽ちゃんに強い思いがあったMさんは、新しいご家族さまの一員となって旅立った楽ちゃんでしたが「このまま放っておいて後悔はしたくないから、医療のことだけはさせて」とおっしゃり、楽ちゃんの入院費用も全部持つから、とおっしゃり、楽ちゃんを以前かかっていた獣医さんがいる病院に入院させてくださったのです。
Oさんも多大な譲渡金を渡してこられ、「それを楽ちゃんの入院費にあててください」と有難い申し出をくださいました。
入院してから少し持ち直したそうなのですが、ちゅーるも舐める程度で、到底、自力で食べるまでにはいかなかったようです。
退院したとしたら強制給餌が必要であり、それもMさんがOさん宅まで通いじきじきに
強制給餌のレクチャーをする、という覚悟でいらっしゃいました。
しかし、それを待たずに、楽ちゃんは天界の天使になってしまいました。
私の勝手なる思いの中に、2度も人から捨てられたトラウマのある楽ちゃんを、温かい心のある人の家庭で亡くなって欲しい、という願いだけでした。
それで、看取りを覚悟して引き取ってくださる方を募集していたのです。
Oさんはちょうど愛する三毛ちゃんを亡くしたばかりで、その償いをしたく、楽ちゃんの最期の時をお世話したい、と申し出てくださった、最高最善の方でした。
最適な方が見つかって心から嬉しく有難く、すべてお任せしたく思っておりました。
そしてできたらOさんの母の愛があふれた豊かで温かい胸に抱かれて旅立たせたく願ってしまっておりました。
それも私のエゴであったのでしょう・・・
楽ちゃんはこの世で一番嫌いである病院で亡くなりました。
それは楽ちゃんのMさんへの気遣いであったのでしょう。または嫌な場所に入れられた抗議の意味があったのでしょうか。
最終的に楽ちゃんが死に場所を選んだのですから、それもいたしかたがございません。
今、楽ちゃんにかかわったすべての方々は楽ちゃんの訃報を聞き、涙雨に打たれています。
楽ちゃんは、この半年の間、関わったすべての人に深い温かい愛を与え続けてくださいました。
いつもの定位置で、何事にも動じず、堂々と寝ている楽ちゃんに挨拶をすると、決まって楽ちゃんはだみ声で「いらっしゃーい、ぎゃおー」という声を発し、人の足元までやってきて「なでて」とごろんと横になり、お腹を出すのです。すると、皆、決まって口元が緩み、思わず笑いながら、楽ちゃんをなでるしかないのでした。
楽ちゃんに接した皆が、何か心の中が温かいものが流れ、生きるエネルギーを頂いたと感じます。
Oさんご自身も、「以前は三毛ちゃんを失った悲しみでうつ病になりそうであったのが、楽ちゃんをお世話し出してから、とっても心が楽になり元気になっていた」とおっしゃってくださいました。
楽ちゃんを保護した日に、おおにし動物から、余命1日と宣告されていたにもかかわらず、半年以上も生きて、私たちに幸せをくださった奇跡の楽ちゃん。
ありがとう。
あなたの残した功績は偉大です。
大きな自己犠牲を払って、楽ちゃんが嫌がって吐き出すフードまみれになりながらも、強制給餌を続けてくださり、何度も入院させてくださったMさんに感謝です。
かかわったHさまご夫妻にも感謝です。
ただただ、楽ちゃんには「ありがとう」の言葉しかありません。
何万もの住民がいる小平で、ここを選んで来てくれたこと。
私の教え子の息子さまから贈られた、かわうそのぬいぐるみの側でずっと寝ていてくれたこと。
セラピー用のリクライニングチェアを独占して、毛だらけにして仕事では使えないようにしてくれたこと。
すべて笑いに変えてくれてありがとう、楽ちゃん。
天界の天使になって良かった。もう重いからだを引きずる必要がなくなりましたね。
おめでとう!