jupes jupesの日記

Lanai Fukudaのくだらない日々

「Grace 神の恩寵」 天使に戻りました。

Grace & 男爵


昨日、5月5日、奇しくもエンちゃん&ジェルちゃんの4歳の誕生日の日に

 

「グレース」ちゃんが天界の天使に戻りました。

 

午後7時半ごろ

 

私が外のネコさん達のご飯給餌から戻り、ぐったりとしているグレースちゃんに触れた途端、両手両足をかすかに動かし、小さな声にならない声を発してから、静かに昇天致しました。

 

私のことをずっと待っていてくれたのだと思いました。

 

昨日まで、元気に走り回り、ジャンプまでして、相変わらず、他のネコちゃん達のフードを狙い、部屋の隅から隅まで美味しい方を探し回り、いつものように、自分のよだれを垂らし、他の子達が食べられないようにしてから、ゆっくりと自分のフードを味わう・・・・といういつものルーティーンワークを繰り返しておりました。

 

しかし、1週間ほど前から、なんとなく、私に終焉を感ずかせるようなグレースちゃんの兆候が表れておりました。

 

 

それは、うちの父親が亡くなる前もそうであったのですが、体臭が消えて、オーラも透明になるような感じになるのです。

 

うちの父親の場合は、人間的な加齢臭、おっさん臭でしたが、グレースちゃんの場合は、両口角がガンの為に溶けてしまっているため、隅からいつもよだれや、食べたものが垂れ落ちてしまい、それが酸化した異臭となり、部屋中に充満し漂っていたのです。

 

その臭いが、部屋に入る前から感じられたのが、数日前からぴたっとなくなったのでした。

 

それに加えて、これまでは人が少しでも動くと、よだれを勢いよく飛ばしながら、ささっと逃げ回っていたのが、急にすり寄ってきて、ネコらしい可愛らしい声を発して甘えるようになっていたのでした。

 

更に、私には、グレースちゃんがいなくなるという哀しみの感覚が胸を突いてきておりました。

 

グレースちゃんが亡くなる兆しの感覚を、打ち消すように、グレースちゃんは全力で食べて、他のネコちゃん達をまったく気にせず、必死で生き抜いておりました。

 

他のネコちゃん達はというと、黒ちゃんは1日、2回、糖尿病のインシュリン注射を2回打たれ、ちゃーくんは、腎臓病の点滴を打たれながらも、とても寛大な態度で、グレースちゃんが汚し蹴散らした残飯を涼しい顔で拾って食べておりました。

 

もう一匹の新顔の黑女の子、ぴのこちゃんは、隅っこに隠れて、恐る恐る、その様子を覗いているのみです。

 

なんと皆、心優しい良い子達なのでしょう。

 

そして、昨日、朝の掃除に行くと、フードが置いてある前の床に目を開いたまま横たわっているグレースちゃんを発見し、胸を打たれましたが、もうそろそろ天使のお迎えが来ると感じ、何も処置することなく、ただ、喉が渇いたら可哀そうだと思い、ネコミルクをスポイトで与え、そのままグレースちゃんの好きなように自然体にさせてあげました。

 

グレースちゃんは、去年のクリスマス前に、ある餌場において、子ネコがいるという連絡があった時に、捕獲保護された子でした。

 

 

仔猫の姿とは、およそ程遠い、大きな大人のネコちゃんでしたが、その時に捕獲器に入ってくれたおかげで、こちらに来ることになり、Mさんの手厚い看護と医療を受けることができたのでした。

 

これも天使が働いたのでしょう。

 

獣医さんの診断により、グレースちゃんは上皮頸がんの末期であり、もう手の施しようがなく、ただ、これ以上ひどくならないための、止血剤と痛み止めの注射を打たれ、薬を処方されるのみでした。

 

しかし、グレースちゃんは、そんな末期がんの状態など、もろともせずに、生きることに必死で、部屋中の食べものを漁り、食べ尽くしておりました。

 

ただ、歯を全部抜いてしまったのと、口角が溶けてしまっているために、咀嚼が困難な為に、前足を器用に使い、すくっては舌で舐めるという動作を繰り返しておりました。

 

その為に、食器の周囲は惨劇が起きたのか、と思うほど、残飯が散らばり、それがこびりついて、それを取りのぞくのが大変な作業になりました。

 

Mさんも毎朝お掃除に2時間もかけていらっしゃり、本当に困ったものでした。

 

こちらもいろいろと考え、工夫をした結果、パウチや缶詰のフードをジューサーミキサーでスムージー状にし、それを飛び散り防止の段ボールの囲いの中に置き、下にはシートを敷き、完全防備をする、といった、学習をさせられました。

 

私も10数年前に通販で買って、ほとんど使わず、もう処分しようとしていたジューサーミキサーが、今回、その存在の大きさを示し、お役目を果たしてくれて良かったと思いました。

 

グレースちゃんも、一匹で10匹分くらいの存在感があり、約半年、元気に生き延びてくれました。

 

ガンにもかかわらず、まったく痛みを感じている様子もなく、人(ネコ)一倍元気に食べては出し、大いに寝てくれました。

 

グレースちゃんがくしゃみをしたり、首をぶるぶると震わす度に、口から飛沫が飛び散り、部屋中に跡がついておりました。

 

グレースちゃんがいなくなっても、グレースちゃんがここに存在していた、という痕跡が大いに残りました。

 

グレースちゃんの生存している間は、ため息をつくほど、大変な子で、なんとあさましい、卑しい子だと、怒り心頭になることも多くありましたが、次第に、それが愛嬌たっぷりに思えてきて、愛おしくいなくてはならない存在に思えてきていたのです。

 

失ってみて、グレースちゃんの偉大さをしみじみと感じております。

 

今は、男爵君の眠っている、シークレットガーデンの、男爵君の隣に埋葬されております。

 

孤独であった男爵君もガールフレンドができて良かった、と思います。(勝手な自己満足ですが・・・)

 

今考えるとグレースちゃんも男爵君も、手の掛からない良い子であった、と思えます。

 

両者とも美食家で耽美主義であった為に、気が合うことでしょう。

 

私は最期に「グレースちゃんは天使界の最高位のくらいに属しますように」と天界のヒーリングを施させて頂きました。

 

「Grace 神の恩寵」 美しく優美なネコさんが天使に戻りました。