jupes jupesの日記

Lanai Fukudaのくだらない日々

ネコちゃんにとって棲み処とは・・・

先日、こちらにやってきた「黒ネコ」君と「茶白ネコ」ちゃんの2匹は、実は、1週間お預かりをした後、無事にもとの飼い主さんのところに戻っていきました。

 

その経緯を思い出すと、再び、イラっとしてしまうのですが、人間の嫌なものを目の当たりにさせて頂いた勉強と思い、感謝して受け止めております。

 

その2匹の件は、2年以上も前に、こちらから譲渡した子ネコちゃん達の飼い主の奥さまからのご依頼でした。

 

ある日、登録していない方から、LINEが来ていたかと思うと、

 

「友人が離婚することになり、飼っている5歳になるネコちゃん3匹に困っています。一匹(一番慣れていてきれいなロシアンブルーミックスでした)は私が引き受けます。そちらで2匹引き受けてください」

 

と唐突なメッセージがありました。

 

あまりにも多くの方々とやり取りをしているために、この方はどこのどなただったか覚えておりませんでしたが、譲渡記録を調べていくとようやく記憶が一致して参りました。

 

しかし、ただ友人が離婚する、という情報しか頂けず、いろいろとうかがっても、何かあいまいで、そんなに簡単に大人のネコを引き受けられないとは思いましたが、保健所に連れて行かれたり、置き去りにされたりということになったら、後悔あとに立たずということで、可哀そうな5歳のネコちゃん達2匹を、仕方なく受け入れることになりました。

 

タクシーでやってこられたその50代くらいの女性は、能面のような無表情で、あいさつもろくにできないような方で、なにか障害をお持ちではないかと思えました。

 

友人であるというこちらの子ネコの飼い主さんの70代の女性は、その50代の女性をなぜかやたらとかばい、同情をしておりました。

 

こちらには、そのネコちゃんの詳しい情報があまりないまま、そしてその50代の女性は最後に、Mさんと私の目の前で、友人同士で食事の約束をして去っていきました。

 

子ネコの時から、5年間も共にいたネコちゃんを、どうして簡単においていくことができるのか、本当に疑問しかありません。

 

しかもお願いする私達には、その子達が食べていたものなども、何一つ持参がなく、帰り際にこちらにお礼も詫びのあいさつもなく、自分たちの食事の約束をしているのです。

 

あまりの非常識にあきれ果てておりました。

 

その女性が言ったことには、ご主人はネコが嫌いであり、その子達はネコ部屋でずっと飼われていたといいます。

 

ネコちゃん達には情のない方と感じました。

 

引き受けたものの、その2匹のネコちゃん達は、こちらに来た途端、いっさいの食事を受け付けなくなってしまったのでした。

 

情の厚いMさんは一生懸命、美味しくて高カロリーのちゅーるまで買ってきて、無理矢理口をこじ開けて食べさせようとしても、口も開かず、こちらを拒否しておりました。

 

2,3日して、緊張が解けて慣れてくると、厳重に閉めていたはずの重い引き戸をこじ開けてしまい、倉庫部屋に入り込み、置いてあるものをめちゃくちゃにして暴れ回るようになってしまいました。

 

戸を突っ張り棒で開かないようにしたり、重いものを置いたりと、ありとあらゆる方法で開かないように固く閉じても、翌日、ネコちゃんが通れるくらいに隙間が開いており、2匹とこちらのチャー君まで一緒に倉庫に入り込んで大暴れをしておりました。

 

また倉庫部屋に入り込んでしまった、その子達を見つけて捕まえるのも一苦労であり、こちらは汗びっしょりになってほぼ半日かけて、捕まえるというあり様でした。

 

部屋に戻しても黒君はエアコンの上に上ったきり、降りてもこず、茶白ちゃんも隅っこに入り込み、姿を見せません。

 

まるで、ハンガーストライキをして病気になり、元飼い主さんに捨てられた苦しみを訴えて復讐しているように思えました。

 

1週間、毎日、脱走とハンガーストライキをされ、Mさんも私もほとほとと疲れてしまい、ついに、元の飼い主のご友人にLINEを送りました。

 

「このままでは脱水状態になり病気になります。どうしますか?」

 

と訊ねました。

 

今までも、助けたネコちゃん達が、脱水状態で腎不全などになっていたことを経験しておりましたので、このままだと死んでしまう可能性もあると危機感を覚えておりました。

 

すると元飼い主から直接電話があり、この間聞いた声の、幼児のようなしゃべり方で

 

「え~?せっかく幸せになると思って預けたのに~殺すために預けたことになっちゃう~。今、姉と食事をしていて、姉が迎えに行きなさいと言ってるから迎えに行きま~す!」

 

とおっしゃいます。

 

こちらは、もうそれしか方法がないと思い、お願いしました。

 

すると、数時間後にお二人で電車に乗ってやって来られました。

 

そのお姉さまは、幼い感じの妹さんとは違い、常識があるまっとうな感じがする方でした。

 

お姉さまが妹さんに説得をし「離婚するとしても実家にネコちゃん達を連れて戻って来たらいい、ワンちゃんがいるけれども大丈夫」というようにお話をしてくださいました。

 

お二人が来ると、興奮状態のネコちゃん達は逃げまどいましたが、なんとかその方が以前、持って来られて置いていったキャリーバックに一匹ずつ、押し込むと、黒ちゃんはここに来てから初めて甘えた声を発しました。

 

茶白ちゃんも観念して嬉しそうな顔をしている感じがしました。

 

そして、元の家に戻ると、ものすごい勢いでフードを食べ、元飼い主さんに甘えているという様子の動画を送ってくれました。

 

なんとも現金なくらいに元に戻ったようです。

 

やはりネコちゃん達にとっては、5年間、暮らした部屋が良いに決まっております。

 

そこはお世辞にもきれいとは言えない、汚部屋で、おかしな飼い主に飼われていたとはいえ、5年間というのは、ネコちゃんの感覚でいうと30年から35年の感覚のようなのです。

 

そんなに長い間、暮らし慣れていた場所から、いきなり人間の勝手な都合でネコちゃんの暮らしを振り回すなんて、信じ難いことです。

 

そのお姉さまのお話から、離婚するというのも、まだ未確定であり、専業主婦で子どものいないその妹さんの妄想からすべてが始まったようです。

 

また私には、他に老ネコ一匹と犬が2匹いるから飼うのは無理だとおっしゃっていましたが、犬2匹は、実はご実家でお姉さまが飼っているそうで、妹さんの虚言であると分かりました。

 

この大騒動で振り回されたのは、ネコちゃん達と私達で、ほとほと疲れ果てました。

 

しかし、ネコちゃんというのは、どんなにひどい飼い主であっても、慣れ親しんでいたら愛情が沸くものだと、あらためて思わされました。

 

ふと、私も自分の狭い部屋にいるエンちゃん&ジェルちゃんにも、もっと広い家の豊かな飼い主さんの方が良いのでは、と思ってしまいましたが、こんな変な飼い主でも狭い部屋でも2年半暮らした部屋が良いのかな、と反省させられました。

 

終わりよければすべて良し・・・

 

ハンガーストライキをしていた黒君

同じくハンガーストライキをしていた茶白ちゃん